トヨタ自動車は2016年2月24日、同社の燃料電池バス「トヨタFCバス」を1台、東京都交通局に納車したと発表した。3月には2台目を納車する予定。燃料電池車「MIRAI」と同じ燃料電池システム「トヨタフューエルセルシステム」を搭載したバスで、災害時などに電気機器に電源を供給する機能も持つ。電源供給能力は最大で9000W。235kWhまで供給可能。
図 東京都営バス仕様の「トヨタFCバス」
出所 トヨタ自動車
東京都交通局はこの燃料電池バスを、月25万円のリース契約で導入する。リース期間は2年。実際の運用は2台目の納車を待ってからとなる。運用開始は3月21日(火)。2台の投入路線は「都05系統」。東京駅丸の内南口から東京ビッグサイトを結ぶ路線だ。運賃は従来の都バスと同じく210円(ICカード利用時は206円)。
図 東京都営バス「都05系統」の路線図。この路線を燃料電池バスが走る
出所 東京都交通局(編集部にて一部加工)
燃料である水素の補給には民間の水素ステーションを利用する。岩谷産業が3月6日に開設する「イワタニ水素ステーション東京有明」を主に利用する計画だ。岩谷産業は同ステーションの開設日程を24日に発表した。このステーションは東京都江東区有明1丁目の「有明一丁目」停留所のそばにある。燃料電池バスが走る路線のすぐそばにあることから、このステーションを利用することが決まった。
トヨタ自動車は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上の燃料電池バスを投入する計画を立てている。そして、今回の燃料電池バス運行開始によって、市街地を走る燃料電池バスを多くの人が目にする機会が増え、公共交通機関に燃料電池バスを活用することについて一般消費者の理解が深まることを期待しているという。