中国電力は2018年7月31日、自社の送配電部門の法的分離に向けて分割準備会社を設立すると発表した。政府は2015年6月の改正電気事業法で、2020年4月から電力各社の送配電部門を法的に分離することを求めている。この法改正により、一般送配電事業者や送電事業者が小売電気事業や発電事業を兼業できなくなる。各社の送配電部門を中立なものとし、ほかの電気事業者も利用しやすくすることを狙っている。
中国電力は2020年4月に備えて、まずは2017年10月に社内に「送配電カンパニー」を設置して、事業分割後の業務運営について試行を続けている。分社後も、災害時の復旧など電力の安定供給のための業務については、分割後の両社が連携して、分割前と変わらないレベルのサービスを提供するとしている。
事業分割時には、送配電会社を発電と電力小売を担当する事業持株会社の100%子会社とする。2019年4月には分割準備会社を設立し、2020年4月1日には準備会社に送配電部門を承継させる手順を踏む。分割準備会社は、事業の承継を受ける前に、送配電会社として活動するために必要な許認可の取得、申請・届出など、事業開始に向けて準備を進める。
図 中国電力が計画する送配電部門法的分離の流れ
出所 中国電力
中国電力は分割準備会社設立と同時に、分割準備会社との間に吸収分割契約を締結し、2019年6月の株主総会に吸収分割を提案する。総会で承認を得られたら、予定通り2020年4月1日に送配電部門を分割準備会社に継承させる。送配電会社として出発する新会社に名称は「中国電力ネットワーク」とし、本社は中国電力と同じ場所に置く予定だ。中国電力ネットワークは一般送配電事業のほかに、離島での発電事業も担当する。
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中国電力