東北電力と日産自動車、三井物産、三菱地所の4社は、電気自動車(EV:Electric Vehicle)の蓄電池を電力系統に接続して充放電するV2G(Vehicle to Grid)の構築に向けて、共同の実証プロジェクトをスタートした。実証期間は2018年10月4日〜2019年3月31日。
今後、普及拡大が見込まれているEVは、移動手段としての利用だけでなく、電気を貯めて取り出せる蓄電池としての利用がすでに始まっている。同プロジェクトでは、EVの蓄電池機能に着目し、気候条件によって出力変動する再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に対応するため、EVの電力需給バランス調整機能としての実現の可能性を検証する。また、今後のEVの普及を見据えて、駐車時にも付加価値を生み出す新たなビジネスモデルの検討なども行う。
実証内容は、仙台ロイヤルパークホテル(三菱地所)の駐車場に設置する充放電スタンド2台(三井物産)と、EV2台(日産自動車)を使用し、新たに開発する遠隔監視・制御システムによって、スタンドに接続されたEV蓄電池の充放電を制御することで、EV蓄電池が電力需給バランスの調整機能として活用できるかを検証する(東北電力)。実証期間中には、EVをホテルの宿泊者などにカーシェアリング(NISSAN e-シェアモビ)車両としても提供する。
なお、東北電力は、2018年5月30日から経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「平成30(2018)年度需要家側エネルギーリソースを活用したVPP構築実証事業(V2Gアグリゲーター注1事業)」を開始しており、今回のV2G実証プロジェクトは当該補助事業の一環として取り組まれている。
図 VPP構築に向けた「V2G実証プロジェクト」の構成(イメージ)
出所 http://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/__icsFiles/afieldfile/2018/10/04/b_1198372.pdf
注1 V2Gアグリゲーター:V2Gの構築に向けた検証に取り組む事業者のこと。