5Gの3つの特徴と商用サービス
第5世代モバイル「5G」は、これまでの1G、2G、3G、4Gの流れの枠組みを超えた次世代のモバイルプラットフォームであり、あらゆる産業や社会に影響を与えようとしている。
5Gは、①最大20Mbpsの超高速伝送速度(eMBB、モバイルブロードバンド)、②自動運転車やロボット向けの1ms以下の低遅延・高信頼通信(URLLC)、③1km2の広さに100万個ものIoTデバイスを同時多数接続可能(mMTC)という3つの特徴を備えた規格仕様となっている。このうち、商用サービスは、まずモバイルブロードバンドに注力して実現し、次に低遅延・高信頼通信や同時多数接続が実現されるシナリオとなっている。
図1 5G時代を迎えて2019年は世界中の地域で5Gが展開されている
5Gで使用する3つの周波数帯
5GのNR(New Radio)という無線インタフェース仕様は、LTEの無線インタフェース仕様(使用周波数帯は3GHz帯まで、FDDのみ)に比べて、NSA、SA、サブ6GHz帯、ミリ波帯に加えFDD、TDDなど多彩な技術が駆使して展開されている。
さらに5Gでは、大きくハイバンド:24GHz帯以上(ミリ波帯)、ミッドバンド:1GHz帯〜6GHz帯、ローバンド:1GHz帯以下の3つの周波数帯が使用される。周波数特性から、ハイバンドは通信容量に有利であり、ブロードバンド用やプライベート網構築に適している。ミッドバンドは、通信容量とカバレッジ(通信範囲)のバランスを取った利用、ローバンドはカバレッジで有利となる。このため、5Gではこの3つの周波数帯域を適切に利用することが重要となる。