2020年1月末時点で免許申請は13事業者
注目されたローカル5Gの申請受付が、2019年12月24日から開始されて約1カ月が過ぎた。1月末時点でローカル5Gの免許申請者は表1のとおり。CATV事業者が6社と約半分を占め、合計13事業者となっている。
総務省は、これら申請者を審査のうえ、2月中旬に免許を交付し、春以降に順次利用が始まる。
業種 | 名称 | 本社/県庁所在地 | 主な用途 |
---|---|---|---|
ベンダ | 富士通 | 東京都港区 | スマート工場などIoT向け(自社工場に先行導入) |
NEC | 東京都港区 | ||
CATV事業者 | 秋田ケーブルテレビ | 秋田県秋田市 | ケーブルテレビ(有線ラスト1マイルの代替) |
ジュピターテレコム | 東京都千代田区 | ||
ケーブルテレビ | 栃木県栃木市 | ||
ZTV | 三重県津市 | ||
となみ衛星通信テレビ | 富山県南砺市 | ||
愛媛CATV | 愛媛県松山市 | ||
通信事業者 | NTT東日本 | 東京都新宿区 | スマート農場やeスポーツ活用を見据えた実証環境の構築 |
Qtnet | 福岡県福岡市 | 九州工業大学内に産学連携共同研究の環境を構築 | |
大学 | 東京大学 | 東京都文京区 | 実証環境の構築 |
自治体 | 東京都 | 東京都新宿区 | 中小企業やスタートアップ向け実証環境の構築 |
徳島県 | 徳島県徳島市 | 中小企業等の技術者育成のための実証環境の構築 |
出所 総務省資料および編集部取材をもとに作成
注目されるローカル5G
世界中で5G(第5世代)の商用サービスが開始され、日本でもいよいよ2020年の春から、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアが5Gの商用サービスをスタートする。
5Gは、高速性(eMBB、最大下り20Gbps)だけでなく、IoTデバイスの同時大量接続(mMTC、100万台/km2)や、無線区間の遅延が1ms以下の低遅延・高信頼性(URLLC)などの特徴をもっているため、自動運転車の制御やトラック・建機などの遠隔操縦、ロボット操作にも十分使えると期待されている。
また、5Gの新しい動向として、携帯電話事業者による全国向け5Gサービスとは別に注1、地域の企業や自治体、大学等さまざまな主体が、自ら所有する建物や敷地内で、エリアを限定してネットワークを構築して利用できる「ローカル5G」に注目が集まっている。これは、海外ではプライベート・ネットワーク(自営網)と呼ばれ、公共機関などがLTEネットワークを公共安全用のネットワークとして構築し、利用している。
ローカル5Gを利用すると、工場内の生産ラインを自動制御する「スマート工場」や、携帯電話サービスが十分に整備されていない工場内や地域などで、直接ブロードバンドサービスが受けられるようになる(図1)。
▼注1
すでに携帯電話サービス向けの5G用電波を割り当てられている4キャリアは対象外(2020年1月時点)。