[特別レポート]

日本のICT産業は危機から脱出できるか(前編)=ICT標準化・知財戦略シンポジウム開催=

2008/09/05
(金)
SmartGridニューズレター編集部

≪5≫NICTとICT標準化・知財センターとの連携

宮原 秀夫氏(NICT 理事長)
宮原 秀夫氏
(NICT 理事長)

情報通信研究機構(NICT)理事長の宮原 秀夫氏は、特別講演として「NICTの産学連携による研究開発」を行ったが、ここではNICTとICT標準化・知財センターとの連携を中心にレポートする。

『NICT(情報通信研究機構)は、日本における唯一のICT分野の公的機関であり、産学と連携して研究開発を推進してきているが、今後は、今回設立されたICT標準化・知財センターとも連携を強化して取り組んでいきたい。NICTとICT標準化・知財センターの関係は、図11の通りである。

図11に示すように、NICTは今まで以上に、ICTの研究開発、標準化、知財活動を一層活発化させていくこと必要と考えている。今後のNICTの研究開発の方向性を定めるために、研究現場のニーズを踏まえ、例えば新世代ネットワーク(NWGN:New Generation Network)や超臨場感通信技術など、主要なICT分野における標準化・知財関係の技術調査に力を入れていく予定である。

このようなNICTの技術調査結果をセンターに提供する代わりに、センター側から標準化・知財に関する最新情報などの情報提供していただくことにより、センターと情報を共有させていただく。また、ICTの研究開発、標準化に関する人材育成活動や、本日のようなシンポジウムなどを連携・協調によって実施していきたい。

ICT標準化・知財センターは、ICT分野の国際標準化に関する先見性のあるさまざまな標準化の取り組みを展開し、情報収集や分析、戦略を立案する組織なので、NICTとICT標準化・知財センターとが、相互に連携・協調して、わが国の研究開発の成果を広く世界に普及させ、展開できるようにしていきたい』としめくくった。


図11 ICT標準化・知財センターへの期待(NICT 宮原氏資料より)(クリックで拡大)


(以下、「後編」へ続く)

ページ

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...