[標準化動向]

<MPEG標準動向レポート>第3回:次世代標準「HEVC」の参照ソフトウェアの策定へ

HEVCの本格的な審議が始まる
2011/02/25
(金)

MPEG(ISO/IEC:Moving Picture Experts Group)は、2010年10月11日から15日まで、中国・広州において第94回となる国際会合を開催した。また、次世代動画像符号化標準「HEVC」(High Efficiency Video Coding、高効率動画像圧縮符号化)を審議するJCT-VC(Joint Collaborative Team on Video Coding、共同研究部会)は、2010年10月7日から15日までの日程で同時開催された。広州会合には、全体で400名を超える専門家が参加し、前回のジュネーブ会合の参加者数を上回った。今回は、新たに公式テストモデルの策定段階に入ったHEVCの標準化審議状況についてレポートする。

早稲田大学大学国際情報通信研究センター 客員研究員 石川 孝明
<MPEG標準動向レポート>第3回:次世代標準「HEVC」の参照ソフトウェアの策定へ

≪1≫公式テストモデル「HM」の策定を開始

MPEGは、VCEG(ITU-T:Video Coding Experts Group)と共同でJCT-VC(Joint Collaborative Team on Video Coding、共同研究部会)を設立し、2010年1月開催の京都会合からHEVCの標準化審議を行っている。HEVCは、H.264/AVC後継規格として標準化が進められている新しい動画像符号化技術である。

前回開催されたジュネーブ会合(第93回)では、ドレスデン会合(第92回)で行われた主観評価実験のレビュー結果に基づいて、数多くの符号化ツールが実装されたTMuC(Test Model under Consideration、検討中テストモデル)の審議を行った。TMuCに実装されたツールは、公式テストモデルで採用するツールの候補であり、ジュネーブ会合から今回の広州会合までの期間に、ツールごとに比較実験が行われた。それらはTE(Tool Experiments、符号化ツール実験)と呼ばれている。

今回の会合では、TE(符号化ツール実験)の結果を踏まえ、新たにHM(High Efficiency Video Coding Test Model、高効率動画像圧縮符号化のテストモデル)が作成された。HMは、TMuCとして実装されたプログラムを引き継ぐ形で作られており、TMuCと同程度の符号化効率で大幅に高速化されている。今後は、HMを公式のテストモデルとして位置付けてより具体的な審議が進められることになる。

今回の会合では、HEVCのWD(Working Draft、作業草案)の元となる文書が作成されている(JCTVC-C405)。同文書では、各符号化ツールを、

(1)HEVCの最も良い符号化効率を実現するケースと、
(2)低負荷な処理でも十分な性能を示すケース

の2つに分類し、それぞれに含まれる符号化ツールとそのパラメータを定義している。現在、審議中のHEVCの技術構成を表1に示す。表1に示したユースケースの違いは、今後プロファイルとして確立していくものと考えられる。なお、HEVCでは、H.264/AVCと比較して、高効率の場合で50%の性能向上、低負荷の場合で25%の性能向上を目指している。


表1 HM(高効率動画像圧縮符号化のテストモデル)で検討中の技術構成
カテゴリー 高効率 低負荷
基本構成 符号化ユニット(8×8から64×64まで)
予測ユニット
変換ユニット(最大3レベル) 変換ユニット(最大2レベル)
変換サイズ 4×4から32×32まで
イントラ予測 方向付き画面内予測(最大34方向)
インター予測 DCTベースの補間フィルタ(12タップ) 方向性補間フィルタ(6タップ)
高度な動きベクトル予測方式
エントロピー符号化 CABAC(*1) LCEC Phase2(*2)
演算精度拡張 内部演算精度拡張(4ビット拡張) ×(利用せず)
×(利用せず) 変換時の精度拡張(4ビット拡張)
ループフィルタ デブロッキングフィルタ
適応的ループフィルタ ×(利用せず)
*1 Context-based Adaptive Binary Arithmetric Coding、周囲の情報に合せて適応的に行う算術符号化
*2 Low Complexity Entropy Coding、低負荷エントロピー符号化


JCT-VCは、2011年1月に開催予定の大邱会合(韓国)にむけて、ツール実験の代わりとなるコア実験を行う予定である。コア実験は、全部で13項目が設定されており、ツール実験の内容を引き継ぐ項目も含まれる(表2参照)。


表2 コア実験において使用される13項目の技術
文書番号 コア実験 説明
JCTVC-C501 Decoder-Side Motion Vector Derivation (一部の)動きベクトルを符号化せずに復号器側で導出する技術
JCTVC-C502 Flexible Motion Partitioning 効果的な画面間予測のためのブロック分割統合技術
JCTVC-C503 Interpolation for MC (Luma) 輝度信号の動き補償に最適な補間フィルタ
JCTVC-C504 Interpolation for MC (Chroma) 色差信号の動き補償に最適な補間フィルタ
JCTVC-C505 Low Complexity Entropy Coding Improvements 低負荷なエントロピー符号化の改良
JCTVC-C506 Intra Prediction Improvement 画面内予測の性能改善
JCTVC-C507 Alternative Transforms 新しい変換方式の利用と性能評価
JCTVC-C508 In-loop filtering デブロッキングフィルタなどのループ内フィルタの性能改善
JCTVC-C509 Motion Vector Coding 動きベクトル符号化手法の改善
JCTVC-C510 Number of Intra Prediction Directions 画面内予測における予測方向の種類と複雑度
JCTVC-C511 Coefficient Scanning and Coding 変換係数の最適なスキャン手法
JCTVC-C512 Adaptive Motion Vector Resolution 画素精度可変な動き予測手法
JCTVC-C513 Intra Smoothing, Coordinator 画面内予測における平滑化処理


HMのソースコードは、HHI(Heinrich Hertz Institute、ハインリッヒ・ヘルツ研究所)とBBC(The British Broadcasting Corporation、英国放送協会)が提供するSVNサーバ(Subversion Server:ソースコードを集中的に管理するサーバ)から取得できる。

最新のバージョンは0.9である。HMバージョン1.0は、次回の大邱会合までにリリースされる予定である。ただし、現段階では一部の符号化ツールは実装されていないため、注意が必要である。

なお、ソースコードを利用する場合には、少なくともHEVCの標準化活動への貢献を目的としていることが求められている。そのため、HMの実装におけるガイドライン(JCTVC-C404:HEVC software guidelines)を参考に、ライセンスに注意してソースコードを取り扱う必要がある。JCT-VCでは、公開されるソースコードの扱いについて継続して議論しており、より明確なライセンスは、今後明らかになる予定である。

≪2≫その他の審議中の項目

〔1〕HTTPストリーミング

ジュネーブ会合(前回の会合)においてWD(Working Draft、作業草案)が策定されたDASH(ISO/IEC 23001-6 Dynamic Adaptive Streaming over HTTP (DASH) )は、今回の会合でCD(Committee Draft、委員会草案)を策定した。正式なエディタが決定していないため、候補者に就任を打診している状況だが、大邱会合(次回開催)までにCD投票を完了する予定である。

〔2〕3DV

3次元映像(3DV:3Dimension Video)の符号化に関する審議では、FTV(Free-viewpoint Video、自由視点映像)を実現するために、複数の調査実験が継続して行われている。本会合では、提案募集の草案について議論されており、次回会合での一般公開が期待される。調査実験についての報告文書も同様である。

〔3〕Royalty-Free Codec(特許料無料コーデック)の審議

RFCodec(Royal Free Codec、ロイヤリティ・フリー・コーデック。特許料無料コーデック)に関する議論では、Option-1 Licensable Video CodingのCfE(Call for Evidence、性能が優れている技術の所在の確認)を審議している(Option-1の由来については後述する)。また、現在の市場の状況や、産業界からの要望を考慮して、Option-1 Licensable Video Codingのような標準をMPEGで審議することの妥当性と、市場からの要望を想定した目標とすべきコーデック(Codec)の性能について広く意見を募集している。

RFCodecの名称にある「Option-1」は、技術特許に関する扱いを示した文書に由来している。ITUとISO/IECは、技術特許について共同の宣言を出しており、「Option-1」は、同文書に示された一つ目の宣言文に基づいている。この宣言文は、特許保有者が技術特許を無料で許諾する準備があることを表している。詳細は、次の文書にて確認できる。

Patent statement and licensing declaration form for ITU-T/ITU-R Recommendation | ISO/IEC Deliverable(ITU-T/ITU-R勧告およびISO/IEC規格類に関する特許声明とライセンス宣言様式)
http://www.itscj.ipsj.or.jp/sc29/29w7proc.htm

〔4〕MPEG-2における3D映像

一方、既存のMPEG-2ビットストリームのシンタックス(構文規則)を拡張し、3D映像に対応する規格についても議論されている。この規格では、3D映像(具体的には、両眼視差による3D表示を行う映像)が符号化されたMPEG-2ビットストリームを、デコーダが正しく識別できるように、シンタックスを拡張することを目的としている。シンタックスの拡張は、すでに幅広く普及している既存のMPEG-2デコーダとの互換性を保つ必要があり、また、各国で実際の運用方法が異なることも考慮する必要があるため、慎重に議論されている。

この規格は主に日本、米国および韓国が中心となって審議されている。今回の広州会合では検討中の方式についてまとめられたWDを発行し、次会合でPDAM(Proposed Draft Amendment)を発行する予定である。この規格は、ISO/IEC 13818-1:2007/AMD 7 Signaling of stereoscopic video in MPEG-2 Systemsの名称で、MPEG-2 Systemの新しいAMD(Amendment、改正)として標準化される予定である。

≪3≫MPEG会合の今後の標準化スケジュール

〔1〕HEVCは2013年1月に完成

京都会合で発行された提案募集(CfP:Call for Proposals)では、2010年4月から符号化ツールの選定を開始し、10月までに初期段階を完了、テストモデルを元に議論を重ね、最終的に2012年7月にHEVCの実質的な審議を終える目標であった。これに対し、複数の団体からHEVCの標準化スケジュールの実行可能性について意見があった。最終的に、広州会合におけるWD(作業草案)とテストモデルの審議状況を踏まえて、より完成度の高い標準を発行するためにスケジュールが変更された。変更されたスケジュールでは、2013年1月に実質的な審議を完了する予定である(表3参照)。


表3 HEVCの標準化スケジュール
標準化段階 時期
CD(委員会草案) 2012年2月
FCD(最終委員会草案) 2012年7月
FDIS(最終国際標準草案) 2013年1月


〔2〕HTTPストリーミング

HTTPプロトコルによるストリーミング技術の標準となる Dynamic Adaptive Streaming over HTTP(DASH:動的適応型HTTPストリーミング)は、当初策定した標準化スケジュールに合わせた審議が行われている。次回の韓国・大邱会合においてFCD(Final Committee Draft、最終委員会草案)が発行される予定である。


表4 DASHの標準化スケジュール
標準化段階 時期
FCD(最終委員会草案) 2011年1月
FDIS(最終国際標準草案) 2011年7月
IS(国際標準) 2011年10月


≪4≫まとめ

このレポートでは、主にJCT-VCで審議中のHEVCの標準化状況について述べた。新たに作成した公式テストモデルをもとに、より具体的な議論が行われ、新標準を支える技術の枠組みが固まりつつある。今後は、公式テストモデルを利用したコア実験を通じて、HEVCに採用される符号化ツールの具体的な方式が定まっていくと予想される。


≪参考サイト≫

「JCT-VCの文書リポジトリ」(http://phenix.int-evry.fr/jct/index.php

(本会合から新しいリポジトリが使われている。サイドメニューの[All meetings]から各文書にアクセス可能である。文書の閲覧にIDは不要である。)



プロフィール

石川 孝明(いしかわ たかあき)氏

石川 孝明(いしかわ たかあき)氏

現職:
早稲田大学国際情報通信研究センター 客員研究員

【略歴】

2003年、早稲田大学理工学部電子・情報通信学科卒業。2005年、同大学院国際情報通信研究科修士課程修了。同年、同大学院博士後期課程入学。2007年、同大学国際情報通信研究センター 客員研究員、現在に至る。
主に、画像符号化に関する研究に従事。現在は、ネットワーク親和性を有する画像符号化技術の研究に従事。IEEE、情報処理学会、電子情報通信学会、画像電子学会、信号処理学会各会員。ISO/IEC JTC1/SC29 WG11 Video小委員会およびWG1小委員会各委員。

連絡先:takaxp@ieee.org


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