[特別レポート]

2020年に向けた各社5G戦略とM2M/IoTの最新動向

─Mobile World Congress 2015 レポート─
2015/04/01
(水)

2020年の実用化を目指す次世代モバイル「5G」

すでにWCDMA(3G)をはじめLTE、LTE-Advanced(4G)などの標準仕様を策定してきた3GPP〔Third Generation Partnership Project、国際組織〕では、5G技術の議論はまだ正式に発足していない。しかし、5Gのコンセプトは、すでに世界の主要なモバイル通信事業者や通信機器ベンダ間でほぼ共有され始めてきている。ここでは、各社の取り組みを紹介する。

▲ 現在、5Gの変調方式については、4G(LTE)において採用されたOFDMA注1を継続して採用する方式と、新たに開発されたNOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)という方式がある。NOMAはNTTドコモが開発した方式で、LTEのOFDMA(マルチキャリア方式)技術に加え、CDMA(シングルキャリア方式)で培ったキャンセレーション技術(他のユーザーによる干渉除去技術)を用いている。この方式によって60%程度の通信容量の向上を実現しようとしている(写真右)。一方、エリクソン(写真左)は、現在のLTEとのシナジーを最大限に活かすことを重点項目として、継続してOFDMAを利用した通信方式を検討している。NTTドコモは、2014年5月からアルカテル・ルーセント、富士通、NEC、エリクソン、サムスン、ノキアネットワークス、ファーウェイ、三菱電機の合計8社と5Gに向けた共同実験(表を参照)に取り組んでいる(ファーウェイと三菱電機は2014年12月から参加)。

注1:OFDMとOFDMA:OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、直交周波数分割多重)とは、干渉し合わない(直交している)複数の周波数(マルチキャリア)を用いてそれぞれのキャリアにデータを乗せて(多重化して)高速化を実現する技術。OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、直交周波数分割多元接続)とは、OFDMを用いて、複数のユーザー端末(端末A、B、C、…N)からのデータを集め(多元接続)、伝送路で多重化して伝送するための仕組み。

表 NTTドコモと各社による5Gに関する共同実験の内容

▲ 韓国のKT Corporation(ケーティー・コーポレーション)は、5Gを2018年に商用利用することを目指している。ブースでの展示では、5G pre-stageとしてLTE-Bを紹介しており、現在の6倍の速さでコンテンツのダウンロードが可能であるとしている。LTE の進化形としては、①LTE-A(LTE-Advanced)と②LTE-B(LTE-Advanced Evolution)という2つがある。

〔出所 ファーウェイ提供資料より〕
▲ 中国のファーウェイは、同社の5G戦略として、Service Oriented Cloud Formationという概念を発表した。これは、通信を提供する「自動車」「産業」「スマートメーター」などの分野をそれぞれ仮想化したネットワーク、すなわち「スライス」(Slice、ハムの輪切りのように)として分離独立させ、それぞれに「自動車」「産業」「スマートメーター」など最適なアーキテクチャを適用して通信を効率化し、高速化する方式である

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