[特別レポート]

2020年に向けた各社5G戦略とM2M/IoTの最新動向

─Mobile World Congress 2015 レポート─
2015/04/01
(水)

2015年3月2日(月)〜5日(木)の4日間、スペイン・バルセロナのフィラ・グランヴィア(Fira Gran Via)会場において、世界最大の通信事業業界の展示会「Mobile World Congress 2015」(以下、MWC2015)が開催された。MWC2015のテーマは、「THE EDGE OF INNOVATION」(端末による新たな価値の創出)である。ここでは、MWC2015で注目された「5G」(LTEに次ぐ第5世代モバイル通信規格)と「IoT」を中心に、各企業の展示内容をレポートする。

◀ MWC2015には、世界200カ国から9万3,000人以上の来場者が参加し、出展企業は2,100社といずれも過去最高となり、大きな盛り上がりを見せた。
「THE EDGE OF INNOVATION」のもと、(1)IoT(Internet of Things、モノのインターネット)、(2)Flagship Device Launches(進化した端末)、(3)Progress Around Wearables(融合するウェアラブル)、(4)The Path to 5G(5Gへの道)、(5)Multiplay and Content Strategies(コンテンツの多様化)という5つのテーマが提示された。

「5G」実現への布石となる「4.5G」

IoT時代のネットワークを支える次世代通信技術である5Gは、2014年2月に開催されたMWC2014にも増して、各社の活動とその方向性が見えてきた。その中で、5Gの前に4.5Gというポイントを置いている企業もあった。ここでは、クアルコムとシスコシステムズの展示を紹介する。クアルコムは、このほかにも、アンライセンスバンド(免許不要周波数帯:例えば、802.11b/gの2.4GHz帯や802.11aの5GHz帯など)を利用してLTE通信を行うLicense Assisted Access(LAA)も展示し、来場者からの注目を集めた。

▲ クアルコムが行った、LTEとWi-Fiによるキャリアアグリゲーション(複数の通信方式の統合)のデモ。移動する車の位置によって、(1)LTEのみ(2)Wi-Fiのみ(3)LTEとWi-Fiのアグリゲーションと、通信方式が切り替わっていく様子を示した。

▲ シスコシステムズ(シスコ)は、独自のHetNetソリューションを提案している。HetNet(Heterogeneous Network)とは、同一のエリアにセル半径(1つの基地局が通信をカバーする範囲)や方式の異なる無線システムを併存させ、相互に協調することで、ネットワーク容量の拡大を実現しようとする手法の総称である。

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