[特別レポート]

動き出したM2Mの新国際標準「oneM2Mリリース1」

― 日本初となる国際標準規格oneM2Mを使用したショーケースを展示 ―
2015/05/28
(木)
SmartGridニューズレター編集部

oneM2Mの概要と最新動向

 続いて登壇したoneM2M Technical Plenary(技術総会)の 副議長を務めるKDDIの山崎徳和氏は、oneM2Mの活動について具体的な説明を行った。
 
写真7  oneM2M Technical Plenary(技術総会) 副議長 山崎徳和氏(KDDI)
 
 oneM2Mは、M2Mサービス層(アプリケーション/サービスプラットフォーム周辺技術)の標準化を推進するため、2012年7月に設立された。2015年5月11日現在、世界中で193社が参加しており、日本からは、ARIB会員企業が10社、TTC会員企業が6社と、合計16社が参加している。また、同団体には、欧米やアジアの標準化団体(SDO)が8社参加している。さらに、M2Mに関連した業界団体としてOpen Mobile Alliance(OMA)、Personal Connected Health Alliance(PCHA)、Home Gateway Initiative(HGI)、Broadband Forum(BBF)、新世代M2Mコンソーシアム、Global Platformの6団体が参加していることが大きな特徴となっている。
 
 oneM2Mが目指していることは、現在、業種内に閉じて垂直統合的に行われているビジネスを、水平展開型ビジネスに変革することによって、業種を超えた新サービスを生み出すことである(図7)。そのためには、さまざまな企業や機器から取得するビッグデータを集約し、それを利用できるようにする共通プラットフォームが重要であり、その標準規格化に注力している。
 
図7 oneM2Mが目指すM2M市場構造の変革
〔出所 oneM2M Technical Plenary 副議長山崎徳和氏講演資料より〕
 
 同団体の最新動向としては、2015年1月には、認証用テスト仕様の規定を行うワーキンググループである「Test」を設立し、2015年2月には、oneM2Mとして初となる技術仕様書10件(リリース1。後述の藤本氏の講演内容で詳説)を発行した。また、2015年5月には、インドの標準化団体(TSDSI)がPT1〔パートナータイプ1:SDO(標準化団体)メンバー〕に参加したこと、Global Platformが前述したPT2(パートナータイプ2)として参加したことが発表された。
 
 山崎氏は、次期リリースの仕様については、2016年5月の完成を目処に策定中であるとし、AllSeen AllianceやGSMA(GSM協会)、OMAの規格との連携も積極的に行っていくと説明した。
 
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