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東芝、イーレックスから「電力小売全面自由化対応 顧客管理・料金計算システム」の構築を受注

2015/09/04
(金)
SmartGridニューズレター編集部

2015年9月4日、株式会社東芝(以下:東芝、東京都港区、代表執行役社長:室町正志)は、2016年4月に開始予定の電力小売全面自由化に向けてイーレックス株式会社(以下:イーレックス、東京都中央区、代表取締役社長:渡邉博)が導入する「顧客管理/料金計算システム」の構築を受注したことを発表した。

東芝が受注したシステムは、電力自由化が先行している海外市場において実績/ノウハウの豊富なHansen Technologies(ハンセンテクノロジーズ)の「Peaceplus※1」(ピースプラス)を日本市場向けに適応させたCIS(Customer Information System )※2となる。イーレックスが直面する流動的な自由化市場での競争力の向上/維持を支援するため、柔軟性/拡張性に優れる。

システムの特徴

  1. システムの短期間導入と機能拡張が可能
    2016年1月(予定)から開始される電力需要家の事前登録時に部分的な稼働を開始し、2016年4月(予定)のサービス開始時に全システムを本稼働し、短期間でのシステム導入が可能。
    導入初期は、業務に必要な機能のみに限定してシステムを導入し、後の業務拡張に合わせて機能を拡張することができる。
     
  2. 柔軟性の高い計算エンジンの採用により日本市場固有の制度に対応
    あらかじめ定義した昼間/夜間/深夜などの時間帯や、曜日や祝休日などのタイムスケジュールを組み合わせて設定できる柔軟性の高いエンジンを採用しており、いつでも料金プランの設定ができる。また、日本市場固有の料金制度(燃料費調整制度、再エネ賦課金制度など)にも標準で対応する。不確定要素が多く、制度変更が発生した場合についても柔軟に対応する。
     
  3. 標準インターフェースとAPIによる関連システムとの連係
    確定使用量※3、30分同時同量※4、気象情報などの各種データは、需給管理システムや送配電事業者システムなどと連係。また、会計システムや印刷システムなどの既存システムは、API※5を用いた連係が可能。
     
  4. 電力需要家ポータル、代理店ポータル機能を標準で装備
    顧客自身で電気料金シミュレーションを行い、新規契約申込みや契約変更を行うことができる。また、代理店を通して新たな顧客を獲得することも可能。顧客獲得による報奨金の計算など、代理店管理業務にも対応する。

※1 Peaceplus:豪ハンセンテクノロジーズの顧客管理/料金計算パッケージソリューション。東芝はハンセン社と販売代理店契約を締結している。

※2 CIS:Customer Information System。顧客情報の管理及び電気料金計算・請求・回収の管理を行うシステム。

※3 確定使用量:電力小売事業者が電気料金の計算に用いる30分毎使用量(kWh)。

※4 30分同時同量:電力小売事業者が買電量と売電量のバランスを取るために用いる30分毎電力量(kWh)。

※5 API:Application Programming Interface。外部のプログラムからシステムの機能を利用する際に用いる仕組み。

■リンク
東芝

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