[特集]

日米欧のクリーンエネルギー政策と次世代自動車を支える最新技術

― 拡大するHV/EV/PHV/FCV市場とH2V、自動運転 ―
2015/11/30
(月)
SmartGridニューズレター編集部

日本のクリーンエネルギー政策

〔1〕日本の温室効果ガス削減目標値

 日本は、先に述べた京都議定書において、1990年度の温室効果ガス排出量である約12億7,000万トン(CO2換算)から6%の削減を目標に設定した。その後、数回の目標値の変更を経て、COP21における削減目標(約束草案)については、2030年度に2013年度の温室効果ガス排出量である、14億800万トン(CO2換算)から26%減の水準とする約束草案を決定し注4、2015年7月17日に、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局へ提出した。

表1 2020~2030年の乗用車車種別普及目標(政府目標)

表1 2020〜2030年の乗用車車種別普及目標(政府目標)

出所 http://www.meti.go.jp/press/2014/11/20141117003/20141117003-A.pdf

〔2〕次世代自動車普及へのロードマップ

 このような温室効果ガスの削減の要請を受け、2010年4月に「自動車産業戦略2010」において、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)、クリーンディーゼル車などの次世代自動車の普及目標(新車販売台数に占める割合)を、2020年に20~50%、2030年に50~70%へと拡大する高い目標を掲げ、その達成を目指し活動している(表1)。なお、次世代自動車の分類については、表2に示す。

表2 燃料電池自動車(FCV)からプラグインハイブリッド車(PHV)までの分類

表2 燃料電池自動車(FCV)からプラグインハイブリッド車(PHV)までの分類

出所 『インプレスSmartGridニューズレター 2015年6月号』、p.9、インプレス

 さらに、同戦略の中では、次世代自動車の普及・拡大のためには、インフラの整備が必要であり、EVやPHV(PHEV)の充電器の普及が重要だとされている。

 2015年9月末現在、国内の急速充電器は6,002基、普通充電器は9,349基となっている。

 また、2014年11月に公表された「自動車産業戦略2014」では、燃料電池自動車(FCV)の普及に向けて、水素ステーションの整備も求められている。水素ステーションは、2015年10月現在、既設のものも含め、全国で81箇所の建設が予定されている。


▼ 注4
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002311.html

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