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組込み総合技術展(ET2012)に登場した ECHONET LiteベースのHEMSゲートウェイ

2013/01/01
(火)

HEMS を構築する際の公知なインタフェースとして、「ECHONET Lite」を経済産業省が推奨し始めてから10カ月が過ぎようとしている。HEMS 補助金を対象にした商品も製品開発が進んでいるが、ECHONET Liteソフトウェアやその開発環境は、現在、整備されている最中である。ここでは、2012年11月14~16日の3日間、パシフィコ横浜で開催されたEmbeddedTechnology 2012 / 組込み総合技術展( 主催:一般社団法人 組込みシステム技術協会)で展示された「HEMS」や「ECHOCNETLite」の動き、最近の業界動向や標準化団体の動向をレポートする。

新ビジネスチャンスを迎えたHEMSゲートウェイ

一般家庭において、インターネットを利用してメールやWebを閲覧する場合には、インターネット回線を導入してブロードバンドルータを設置し、パソコンやタブレット端末間と接続するといったシステムが構成されている。

同様に、スマートハウス環境で、家庭での電力・エネルギーの使用状況をディスプレイに表示するには、例えばHEMS(家庭内エネルギー管理システム)を導入することによって、「見える化」サービスが提供される。このとき、エアコンなどの電力使用量の見える化や温度制御を行うには、家庭内の各部屋に設置された温度や湿度などのいろいろなセンサーからの情報を収集する必要がある。

このセンサー情報(データ)を収集するには、HEMSゲートウェイと各種のセンサーを特定の物理媒体(例:Ethernet、Wi-Fi、PLCなど)で接続してシステムを構成させる。このHEMSゲートウェイでは、

  1. 各センサーからのデータをあるサイクル(例:10分ごと、30分ごとなど)で収集し、
  2. そのデータをクラウドに送信し、
  3. クラウドにおいてそのデータを分析して見える化や最適化を図り、
  4. アプリケーションデータとしてHEMSゲートウェイを介して、タブレット端末などへ配信する

ことになる。これらを図式化すると、図1のようになる。

図1 スマートハウスにおけるHEMSゲートウェイの役割

図1  スマートハウスにおけるHEMSゲートウェイの役割

サービスアプリケーションを提供する事業者は、HEMSゲートウェイ配下の機器の構成や接続媒体の種類を意識することなく、サービスを提供できるようにすることが求められる。このため各機器ベンダは、特定のサービスに縛られることなく、マルチベンダ環境でサービスアプリケーションを制約なく利用できるように構築することが求められている。そこで、各機器ベンダは、今一度、従来のHEMSゲートウェイの役割を見直すことによって、新しいゲートウェイ機能(例えばECHONET Lite)も備えたHEMSビジネスのチャンスを拡大できる環境が整ってきたと考えられる。

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