川崎火力発電所にMACCⅡを導入
東電の川崎火力発電所では、2015年11月現在、ガスタービン入口のガス温度を1,500℃まで高めることで熱効率を高めたMACCが1号系列の1~3軸、2号系列の1軸の合計4軸が稼働している。
さらに、2016年1月と10月には、ガスタービン入口のガス温度を1,600℃まで高めたMACCⅡが導入され稼働する計画で、合計6軸(総出力342万kW)での稼働が始まる(表1)。
表1 川崎火力発電所の設備概要(緑は運転中、黄色は建設中。2015年11月30日時点)
※MACCⅡについては、他電力会社のトラブル発生機と類似設計の蒸気タービン応急対策工事完了までは、出力66.5万kW×2軸、熱効率58%、CO2排出原単位0.339(kg-CO2/kWh)で運転する予定。
LHV:Lower Heating Value、火力発電設備における熱効率の表示方法の1つ。LHVでは、燃料中の水分などを含まないで算出する。 kg-CO2/kWh:1kWhあたりの発電を行う際に排出する二酸化炭素をキログラムで表したもの。
出所 東京電力の資料をもとに編集部作成
東電は、MACCⅡの導入によって、燃料費などのランニングコストを1軸あたり年間約170億円、CO2の排出量を年間約70万トン削減できると見込んでいる。地球温暖化対策に向けた、温室効果ガス削減への貢献とともに、火力発電のランニングコストの低下が、それに伴う新しいサービスの創出につながるのか、注目されている。