[標準化動向]

IEEE 802がスマートグリッド通信を支援する新組織「IEEE 802.24 Smart Grid TAG」を設立

2013/02/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部

IEEE(米国電気電子学会)におけるLAN/MANの標準化組織「IEEE 802 委員会」(LMSC:LAN StandardsCommittee、IEEE 802 委員会の別名)は、スマートグリッド向けの新しい技術支援グループ「IEEE 802.24 Smart Grid TAG」(TAG:Technical Advisory Group、以下802.24 スマートグリッドTAG)を設立した(2012年12月12日)。

スマートグリッドやM2M向けの通信規格としても広く普及

802.24スマートグリッドTAGは、スマートグリッド・アプリケーションにおける「IEEE 802標準規格の使用に関連する質問や課題への対処を技術的に支援する」ことを目的としている。

IEEE 802標準の通信規格は表に示すように、現在Ethernet(802.3)や無線LAN(802.11)をはじめBluetooth(802.15.1)、ZigBee(802.15.4)、WiMAX(802.16)など、すでにパソコンやタブレット、スマートフォンなど今日のほとんどのコンピュータ/通信機器に組み込まれ、必須の基盤技術となっている。また、広範にわたってスマートグリッドやM2M(Machine to Machine)の通信規格としても使用されている。

表 IEEE 802.24スマートグリッドTAGに参加する既存のWG/TAG

表 IEEE 802.24スマートグリッドTAGに参加する既存のWG/TAG

8つのIEEE 802WGと協力し、他の標準化機関とも連携

さらに最近では、2012年3月に、明確にスマートグリッド向けの用途を目指した802.15.4g(SUN:スマートグリッド用通信規格)を策定。これに続いて、2014年を目指し、スマートグリッド向けに無線LANファミリーの標準規格を策定するために「802.11ah」を設立、現在、活発な審議が行われている。

今後もIEEE 802標準規格は、ホーム・オートメーションやスマートメーター(AMI:Advanced Metering Infrastructure、スマートメーター用通信基盤)をはじめ、再生可能エネルギー資源の統合やデマンドレスポンス(電力需要の制御)などといった、重要なスマートグリッド・アプリケーションにおいても基礎的な役割を果たすと期待されている。

このような背景から、今回設立された「IEEE 802.24スマートグリッドTAG」は、表に示す複数(8個)のIEEE 802ワーキンググループ(WG)などとの協力関係を強化し、それらの技術支援を行いながら、他の標準化機関や業界団体とも連携していく組織となっている。

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