九州電力における電力メーターの種類と機能
図1 九州電力のスマートメーターの外観
〔出所:九州電力提供〕
表1 スマートメーターの要件
〔出所:経済産業省、「スマートメーター制度検討会 報告書」より〕
〔1〕スマートメーターの要件
すでに広く知られているようにスマートメーター(図1)とは、電力会社側と顧客側(一般家庭等)との間で双方向の通信機能を備えた電力メーターのことである。このスマートメーターの要件は、経済産業省が主催する「第10回スマートメーター制度検討会」の報告書(平成23年2月17日)において表1のように規定された注1。すなわち、スマートメーターの機能としては遠隔検針や遠隔開閉(家庭への電力供給のオン・オフ)などの機能があり、送信する情報としては家庭の電力使用量や逆潮流、時刻情報、計測間隔の30分値などが決められている。
ここで「逆潮流」とは、図2に示すように、商用電力系統(電力システム)に、家庭等で発電される太陽光発電・風力発電やコージェネレーション注2などのさまざまな分散電源が連系して運転されている場合に、発電設備設置者の構内(家庭やビルなど)から電気事業者の電力系統(電力システム)へ向かう電力の流れのことを言う注3。
図2 電力の逆潮流とは
〔出所:九州電力提供〕
〔2〕電力メーターの種類と機能
図3に、九州電力が使用している従来の電力計器(電力メーター。図3上部の2機種)と、今後導入される予定のスマートメーター(九州電力ではユニットメーターと呼ぶ)について、それらの適用範囲と機能を示す。このスマートメーターは、九州電力と関西電力、中部電力、東北電力の4社で開発されたメーターであり、現在、九州電力と関西電力が導入を進めている。
図3 従来のメーターの種類・機能とスマートメーターの機能
〔出所:九州電力、「スマートメーターの原価算入について」、電気料金審査専門委員会(第14回)資料8-2、http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denkiryokin/pdf/014_08_02.pdf 〕
九州電力のスマートメーターは、図4に示すように、通信ユニットと計量ユニット、開閉ユニットという3つのユニットで構成されているところから、ユニットメーターとも呼ばれている。
図4 九州電力のスマートメーター(ユニットメーター)の構成:通信、計量、開閉の3ユニットで構成
〔出所:九州電力、「スマートメーターの原価算入について」、電気料金審査専門委員会(第14回)資料8-2、http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denkiryokin/pdf/014_08_02.pdf 〕
〔3〕ユニット方式メーターの特長
このユニットメーターの特長は次の通りである。
- 各ユニット単独で取り替え可能で、契約状況や通信方式に応じて、適確な組み合わせが可能であること。
- 検定期間満了に伴うメーター取り替えを効率的かつ安全に実施できること。
- 通信方式の高度化やHEMSとの連携に、柔軟に対応可能で最適な通信方式を選択できること。
- 必要箇所について遠隔で入切操作が可能(業務効率化かつ低コスト)であること。
〔4〕九州電力のスマートメーター導入計画
九州電力では、表2に示すように、特高・高圧大口ユーザー(500kW以上)と高圧・小口ユーザー(50kW以上500kW未満)向けのスマートメーターはすでに100%設置済みである。
一方、家庭用などへの約810万台の低圧(50kW未満)のスマートメーターの導入は、従来表2に示すような導入完了計画であったが、2013年11月27日に、2年程度前倒しすることができるかどうか詳細に検討していることを明らかにした。仮に2年前倒しになった場合、都市部・一般地域では2021年度〔表2ではH35(2023)年度〕まで、離島・山間地域を含む九州全域で2023年度〔表2ではH37(2025)年度〕までに100%の導入を目指すことになる。
表2 九州電力のスマートメーター導入計画(ロードマップ)
〔出所:九州電力、「スマートメーターの原価算入について」、電気料金審査専門委員会(第14回)資料8-2、http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denkiryokin/pdf/014_08_02.pdf 〕
▼ 注1
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004668/report_001_01_00.pdf
▼ 注2
コージェネレーション(Cogeneration):熱と電力を同時に供給する熱電併給システムのこと。石油やガスを燃焼させて発電を行う場合、従来は大気中に廃棄していた排熱を回収して冷暖房や給湯などに利用すること。これによってエネルギー利用効率を高くできる。
▼ 注3
通常の電力会社から家庭への電力の流れは、「潮流」と言われる。