5つの技術要素
同センターにおける実際の技術要素は、図6のように整理できる。
図6 けいはんなデータセンターを構成する技術要素
(1)ICTシステム
富士通が現システムで想定している50℃の高温に安定的に耐えられるファンレスサーバを提供。サーバの消費電力の半分はファンが消費しているため、CPUのパワーというよりはファンのパワーの方が問題視されている。そのためファンレスサーバを導入し、これによって1台あたり70W程度の削減を可能とした。
(2)空調システム
風量を多くして、かつ風速を押さえるのか、というのが課題。同システムでは「床下壁吹き出し方式」から「壁かけ吹き出し方式」を採用(図7参照)。
図7 個別技術(2):省エネ型空調機器とその制御技術
(3)低損失電源システム
HVDC-12V(直流電源装置)の導入。連係制御でダイナミック制御をし、ロス(損失)を減らす(図8)。
図8 個別技術(3):電源のアクティブ制御
(4)排熱の利活用
本システムの大きなポイントとなる技術(前述)。ICT機器からの発熱を3つのアイル(通路)で段階的に上げて排熱利用していくスーパーホットアイルを新たに配置。湿度調整に利活用することを選択。
(5)統合マネージメント
コンピュータによってリアルタイムで前述の(1)〜(4)までを統合管理してデータセンター全体の最適化をし、総電力の最小化を目指す(図9)。
図9 個別技術(5):コンピュータによる総電力最小化
また、各技術のプレイヤーは次の通り。
- NTTデータ先端技術:(3)低損失電源システムの開発
- 高砂熱学工業:(2)空調システムと(4)廃熱利用技術の開発
- 大阪大学:(5)統合マネージメント技術:ICT機器の最適タスク配置技術の開発
- 国際電気通信基礎技術研究所(ATR):(1)ICTシステムの開発、および(5)統合マネージメント技術:統合最適化技術の開発
- 富士通(1’)耐高温サーバ技術
- Schneider Electric(5’)DCIMシステム技術
消費電力の削減率の目標値
けいはんなデータセンターでは、先に上げたような各専門集団による連携によって、最終的には70%の消費電力の削減を目標としている。そのマイルストーンを図10に示す。
図10 本実証事業における消費電力の削減率の最終目標値
まず2014年3月末で30%の削減を目指しているが、これに関してはHDVCと壁掛け吹き出し方式の空調システムなどの利用により、ほぼ実現可能である。
また排熱利活用については、今年(2014年)度は原理を確認し、来年(2015年)度にシステム化し、最終年(2016年)度に統合して運用していく。
最終年度(2016年度)には、データセンター全体の消費電力の最適化を実現して、目標値の70%削減を達成するとしている。