ICTプラットフォーム導入の利点
次に、スマートハウスやスマートマンションへICT(情報通信)プラットフォームを導入することの利点を説明する。ここでは、「現状のホームネットワーク」と「ICTプラットフォームを導入した場合のホームネットワーク」について、比較をしながら見てみる。
〔1〕現状のホームネットワーク
前掲の図1に、現状のホームネットワークの例を示したが、その課題は次の通りである。
- (1)ECHONET(今後はECHONET Lite)やDLNAなどさまざまなプロトコルが混在している。
- (2)メーカーごとに独自のホームネットワーク方式も多く、せっかくのネットワーク利用もメーカーごとの独自プロトコルで分断された利用になっている。
〔2〕ICTプラットフォームを導入したホームネットワーク
図2は、ICTプラットフォームを導入したホームネットワークの例である。
- ICTプラットフォームの機器制御アプリケーションによってプロトコルの差異を吸収できる。
- プロトコルの垣根を越えて、統一管理でき相互利用することができる。
〔出所:筆者作成〕
異なる業種で利用されるICTプラットフォームの活用事例
インターネット黎明期には、インターネットにアクセスする際の端末はパソコンが主流であったが、時代の変化とともに、アクセス端末はパソコンから携帯電話へ、さらにスマートフォン、タブレットへと変貌している。そして、さらにM2M(Machine to Machine、機器同士の通信)の登場によって、アクセス端末は必ずしも人が介在しないIoT(Internet of Things、物のインターネット)にも、その展開が行われるようになった。
スマートハウスやスマートマンションにおけるインターネット連携の対応は急務であるが、大半のアクセス端末は、IP(インターネットプロトコル)接続の対応が行われていない。このため、ICTプラットフォームを導入することによって、それを解決している。ここでは、先行してICTプラットフォームを用いた製品の展開や実証実験の事例を紹介し、その内容を見ていく。