「3つのHEMS データ利用ユースケース」と「3つのデータ領域」
このように、スマートメーターは日本においても急速に普及され始めており、2015年7月から徐々に提供が開始されるスマートメーターの情報(パーソナルデータ)の扱いについて、スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会で審議されている。
図3は、そこで審議されている「HEMS データ利活用ユースケース」の取り組みである。
これは、「需要家(顧客)とアグリゲータ、サービス事業者」の3者間で、“プライバシーとビジネスにもっとも深く関連するテーマ”であるだけに関心が高まっている。そこで、次に「HEMSデータ利活用サービス市場におけるデータ取扱マニュアルα版の検討イメージ(案)」の内容を見てみよう。
〔1〕3つのユースケースに分類
図3は、需要家(消費者)とアグリゲータ、サービス事業者の3者の間で、スマートメーターからのHEMSデータの流れ、サービス提供のルート、契約関係をどのように結ぶか、などという観点から、ビジネススキーム(ビジネスの枠組み)を3つのユースケース①~③に分類して示したものである。
ユースケース①は需要家とアグリゲータの二者間でやり取りするケース、ユースケース②は三者の中心にアグリゲータが位置しすべてアグリゲータを通してやり取りされるケース、ユースケース③は、「サービス提供ルート」がサービス事業者と需要家の間で直接行われるケースである。
〔2〕3つのHEMSデータ領域(利活用されるデータの性質)による分類
また、図4は、需要家からアグリゲータへ送信され利活用されるデータの性質(HEMSデータ領域)を分類したもので、表1に示すように、データの性質によって、 「領域Ⅰ」「領域Ⅱ」「領域Ⅲ」の3つのレベルに分類されている。
なお、需要家からアグリゲータへのデータとしては、例えば、個人名、住所、時刻情報、家電のメーカーコード、家全体の電力量値/電流値、室内温度などがある。
◆図3 出所
〔経済産業省「HEMSデータ利活用サービス市場におけるデータ取扱マニュアルα版の検討イメージ」、2014 年5月28日〕
◆図4 出所
〔経済産業省「HEMSデータ利活用サービス市場におけるデータ取扱マニュアルα版の検討イメージ」、2014年5月28日〕
◆表1 出所
〔経済産業省の資料をもとに編集部作成〕