柏崎刈羽原子力発電所の安全性に向けた諸設備
表3 柏崎刈羽原子力発電所の安全性に向けた諸設備
出所 東京電力「柏崎刈羽原子力発電所における福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた対策について」2016年5月
さらに、柏崎刈羽原子力発電所では、福島第一発電所における事故の教訓として、
- 津波に対する防護が脆弱であったこと
- すべての電源を失った場合の電源復旧や原子炉などへの注水、冷却のための手段が十分に準備されていなかったこと
- 炉心損傷後の水素爆発や放射性物質の放出を防ぐ手段が十分に整備されていなかったこと
などを挙げ、これらに対して、表3に示すように、柏崎刈羽原子力発電所の安全性に向けた諸設備の整備が行われている。
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以上、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の概要を見てきたが、同発電所では、すでに2007年に新潟県中越沖地震(震度6強)を経験し、さらに、2011年の東日本大震災(震度7)では、福島第一原子力発電所の事故も経験してきた。
これまで見てきたように、現在、これらの事故の教訓をもとに、さまざまな面から対策の強化が行われている。今後、地震予知研究の進展への期待はもとより、これまで想定されないような自然災害(地震や津波など他)に見舞われる可能性もなしとしない。柏崎刈羽原子力発電所の6号機、7号機が、新規制基準をクリアできるかどうか、注目されている。