[クローズアップ]

東京電力ホールディングス・柏崎刈羽原子力発電所における1〜7号機の現況と5つの最新ITシステムの展開

― 福島第1原発事故の教訓を踏まえ、チャットや手書きパッドなども開発へ ―
2016/07/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部

柏崎刈羽原子力発電所の安全性に向けた諸設備

表3 柏崎刈羽原子力発電所の安全性に向けた諸設備

表3 柏崎刈羽原子力発電所の安全性に向けた諸設備

出所 東京電力「柏崎刈羽原子力発電所における福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた対策について」2016年5月

さらに、柏崎刈羽原子力発電所では、福島第一発電所における事故の教訓として、

  1. 津波に対する防護が脆弱であったこと
  2. すべての電源を失った場合の電源復旧や原子炉などへの注水、冷却のための手段が十分に準備されていなかったこと
  3. 炉心損傷後の水素爆発や放射性物質の放出を防ぐ手段が十分に整備されていなかったこと

などを挙げ、これらに対して、表3に示すように、柏崎刈羽原子力発電所の安全性に向けた諸設備の整備が行われている。

*    *    *

以上、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の概要を見てきたが、同発電所では、すでに2007年に新潟県中越沖地震(震度6強)を経験し、さらに、2011年の東日本大震災(震度7)では、福島第一原子力発電所の事故も経験してきた。

これまで見てきたように、現在、これらの事故の教訓をもとに、さまざまな面から対策の強化が行われている。今後、地震予知研究の進展への期待はもとより、これまで想定されないような自然災害(地震や津波など他)に見舞われる可能性もなしとしない。柏崎刈羽原子力発電所の6号機、7号機が、新規制基準をクリアできるかどうか、注目されている。

ページ

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...