各地域の成果と展望
次に、前述した横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市の4 地域で行われている実証実験について、各プロジェクトの概念図を図2に、事業内容を表1に、スケジュールを図3 に、成果を表2に示す。



4 地域実証は、地域の大きさや参加企業、予算が大規模であり、スマートグリッド時代の到来におけるさまざまな課題や可能性が浮き彫りにされた。また、スマートグリッドを実運営するにあたり、実際に利用するユーザーはどのように感じ、どのように動くのかというような、人間行動学的な面からも大きな実りのある実証実験になっている。
例えば、インセンティブ型のデマンドレスポンスにおいて、開始当初はユーザーの関心は高いものの、年度を経るごとに需要の制御を行う手間がインセンティブの魅力を上回ってしまい、徐々にデマンドレスポンスの効果が薄れるといった課題も露見した。この課題に対しては、ユーザーが、継続的に、そして積極的に携わることのできるデマンドレスポンス手法の検討が必要である。
次に、4地域実証によってもたらされた、もう1 つの内容として、2013 年9 月に電気学会の「スマートグリッドにおける需要家施設サービス・インフラ調査専門委員会」(以下、SGTEC)によって提出された、スマートグリッドの技術の標準化の内容についてレポートする。
◆図2 出所
〔次世代エネルギー・社会システム協議会(第14回)配付資料http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/017_haifu.html〕
◆表1 出所
〔経済産業省次世代エネルギー・社会システム協議会(第13回)をもとに編集部作成 http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/013_haifu.html〕
◆図3 出所
〔次世代エネルギー・社会システム協議会(第14 回、第17 回)配付資料、http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/014_haifu.html、http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/017_haifu.html〕