[スーパーコンピュータ「京」施設におけるエネルギー管理の実際]

スーパーコンピュータ「京」(けい)施設におけるエネルギー管理の実際≪前編≫

― 空冷・水冷を併用したコンピュータ冷却システムの設計―
2014/09/01
(月)
SmartGridニューズレター編集部

2. スーパーコンピュータ「京」施設の概要

 同施設のスーパーコンピュータは富士通、建築・インフラ作りのための建築設計・監理は日建設計、各種設備の施工は、大林組(建築)、三機工業(空調・衛生)、きんでん、九電工、三機工業JV(電気)、川崎重工業(コージェネレーション)などが担当した(前出の表1を参照)。
 設計時において、省エネ性に加え、「どのようにして高効率で信頼性が高いインフラをつくるか」いう点がテーマであった(日建設計・長谷川氏)。
 図1のように、同施設は計算機棟(①)、研究棟(②)、熱源機械棟(③)、特高施設(④)の4棟で構成されている。
 西側の研究棟はガラス張りで、ダブルスキン注2構造の二重ガラスを用いて暖房効果を出したり、自然換気ができるようにしたりと自然エネルギーを利用した居住施設になっている。
 また、スーパーコンピュータ「京」が設置されている計算機室をガラス越しに見られるようにして「見える・魅せる」をコンセプトとし、従来とは違った開放感あふれる施設のイメージで設計された。

▼注2
ダブルスキン:窓際の温熱環境を向上させ、省エネを図る建築手法のこと。建物外壁の一部または全面をガラスで覆い、外壁とガラスとの間にできた空間を自然通風し、外側のガラス面の上下に開口部を設け、下部からとり入れた空気を、日射熱により生じる浮力を利用して上部から排気するシステムになっている。
 
◆図1 出所
 〔理化学研究所 計算科学研究機構の資料より〕
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