COP22は、21世紀末までに温室効果ガスの排出をゼロにすることを世界が約束した、歴史的な「パリ協定」(2015年12月注1)が2016年11月4日に発効されてから、初めての国際交渉の場であり、会期途中の11月15日から、パリ協定第1回締約国会合(CMA1)も開催された。これら一連の会議において、期待された成果は主に次の2つであった。
- パリ協定のルール作りの作業計画が、明確な終了期限をもって具体的に決まること
- パリ協定をまだ批准できていない国を含めて、すべての国がルール作りに参加できるようにすること(つまり、ルール作りが終了するまでCMA1を中断するなど)
その結果、①CMA1は中断の手続きを取る、②2018年のCOP24までにパリ協定のルール作りを完了、③ ②の際にCMA1を再開、④CMA1で協定のルールを採択、⑤2020年にパリ協定の取り組みをスタート、などが取り決められた。
予定通り2020年にパリ協定始動の準備が整うことになり、COP22マラケシュ会議は期待された成果を上げたといえよう。2017年にドイツ・ボンで開催予定のCOP23では、温暖化の悪影響に最も苦しんでいる国の1つ、南太平洋のフィジーが議長国となる。
注1 「パリ協定」:フランス・パリで開催されたCOP21で、2015年12月に採択された協定。「世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満に抑える(1.5℃に抑える必要性にも言及)」に向けて、世界全体で今世紀後半には、温室効果ガス排出量を実質的にゼロにしていく方向を打ち出した協定。http://www.wwf.or.jp/activities/2016/11/1346519.html