多様なIoTデバイスの普及と連携するエネルギー資源
ERAB(エネルギー資源統合ビジネス)を展開するイメージを示したのが図2である。
前述したように、これまでの電力会社主体の大型の火力発電や水力発電などの発電所によって、電力の需給バランスを調整してきた。しかし、太陽光発電や風力発電などの再エネや、蓄電池などに代表される需要家側の分散型エネルギーリソースの普及拡大に加えて、今後は電気自動車(EV)の普及に伴って、動く蓄電池も急速に普及すると見られている。
これらのエネルギーリソースの拡大とともに、最近では、センサーや通信モジュールなの多様なIoTデバイスが普及してきている。それに伴って、これらをインターネット経由で相互接続したり、クラウドと連携したりするIoTゲートウェイや、クラウド上のデータを蓄積・保管し、分析・加工するIoTサーバなどが次々に提供されている。
さらに、IoTに特化したネットワークとして、省電力型で安価、かつ長距離通信が可能なSIGFOXやLoRaWAN、NB-IoTやLTE-MなどのLPWA(省電力型広域無線ネットワーク)のサービスが次々に提供され始めている。
このような動きとともに、各種のエネルギー機器を制御する技術も大きく進展しており、スマートハウス/ホームとエネルギービジネスを取り巻く環境は激変し、新たなステージへ向かっているのである。
図2 エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)のイメージ
・親アグリゲータ:送配電事業者や電力市場等に対して電力取引を行う事業者
・リソースアグリゲータ:需要家と VPP サービス契約を直接締結し、リソース制御を行う事業者
・インバランス:発電計画値と発電実績値の差(インバランス)のこと。供給する電力が不足した場合、一般配電事業者から供給される電力の余剰・不足の差分について、発電事業者や小売事業者は、その対価(ペナルティ)として市場価格をベースに算定されたインバランス料金を支払うことになる。
出所 資源エネルギー庁「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン」、2017年11月29日改定
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以上、前後編で、ワンストップサービスの実現に向けたスマートフォンとスマートハウスなどにおける各種サービス機器の関係や各社の動向を解説し、さらにエネルギー新ビジネス(ERAB)の動向を紹介してきた。今後は、これらの実現に向けて必要となるサービス機器のハードウェア費用、運用費用、相対となるサービス提供とその効果について、行政や地方自治体、各エリアのディベロッパーやハウスベンダ、エネルギー事業者、SIベンダなどがジョイントしてチームを組んで検証し、新ビジネスモデルを確立することが求められる。
これらの新ビジネスモデルを具体的に実現することを目指して、自治体では、すでにエネルギー系の協議会で議論が進められている。この中でも今後、HEMSを含めたIoTプラットフォームとスマートフォンの連携に必要なシステムには、業界の統一ルールのもとで、適材適所で展開するビジネスモデルの整理も必要となってきている。
今後は、低炭素社会の実現を目指して再エネの利用を高めながら、エネルギーリソース・アグリゲーションビジネス(ERAB)の市場展開が注目されている。(終わり)