[低炭素社会の実現へ向けて住宅ビジネスに新しい波]

低炭素社会の実現へ向けて住宅ビジネスに新しい波 <後編>

スマートフォン/AIスピーカー/HEMSのIoT社会基盤をベースに
2018/02/09
(金)
奥瀬 俊哉 コントリビューティングエディター/インプレスSmartGridニューズレター編集部

〔3〕重要となるIoTの活用でエネルギーを統合するアグリゲータの役割

スマートハウスに単にHEMSを導入して、居住者が自分でエネルギー制御を行うのではなく、例えば、太陽光パネルや蓄電池、エコキュートなどの再エネを作り出す機器の運用や管理の仕方を、新しく登場した「エネルギーリソースアグリゲータ」が、そのエリア全体のエネルギーアグリゲーション(IoTを活用したエネルギーの統合)を行いながら導入し実現していくことが求められる。

このような役割を行うのがアグリゲータ(図3の親アグリゲータ、リソースアグリゲータ)である。アグリゲータの役割は、新たなエネルギーのビジネス(ERAB)へ向けて、居住者(需要家)へエネルギーの使い方をアドバイスしたり、適切な月額の利用料を含めて提示したりするなどのサービスを行う。これらによって、エネルギーアグリゲーションビジネスが展開されることになる。

普及するIoTデバイスとスマートハウスを連携したエネルギービジネス

〔1〕新エネルギービジネス登場への期待

一方、スマートハウス/ホームにおいては、これまでの、

  1. HEMS機器を導入し、屋根に太陽光パネルを設置して
  2. 発電した電力を電力会社に売電することで需要家が収入を得る

というビジネスモデルは、日本では2019年度からのFITの終了により順次終了していく。

このため、2019年度以降は、需要家側のエネルギーリソースを束ねる(アグリゲート)ことによって、VPPとして市場取引や相対取引注2を通じた調整力注3として活用する、新たなエネルギービジネス(ERAB)の実現に向けて、市場が動き始めている。


■注2■
相対取引(あいたいとりひき):取引所などを介さず、売り手と買い手が直接に取引すること。取引価格も取引の方法も、当事者同士の交渉によって決まる。

■注3■
調整力:電力系統の需要と供給のバランスをとり、電力系統の安定化のために使用される電力。例えば、揚水発電を含む発電設備や電力貯蔵装置(蓄電池など)、デマンドレスポンス(DR)などが調整力の電力である。

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...