VPPプロジェクト①:「地域」を対象とした取り組み
〔1〕公共施設などに設置されている太陽光・蓄電池の有効活用に向けた検証
図2に示すように、多くの自治体などが非常用電源などとして設置している太陽光発電や蓄電池などを、VPPのエネルギーリソースとして活用する。その際、複数の太陽光・蓄電池を統合して、遠隔監視・制御を行う。
プロジェクトに参加する自治体は、VPPのリソースを提供することによって得られた対価を、自治体が保有する諸設備の維持管理費の一部に充当することも可能となる。
〔2〕EV(蓄電池)の有効活用に向けた検証
将来的に普及の拡大が見込まれているEVの蓄電池をVPPのエネルギーリソースとして活用する(図3)。
具体的にはEVの蓄電池を電力系統につないで充放電する技術(V2G:Vehicle to Grid)を活用し、日射量の多い昼間など、再エネ(太陽光発電)の発電量が多くなる時間帯にはEVの蓄電池に充電し、夕方など家庭などで電力需要が伸びる時間帯には、蓄電池から放電する。
このように、電力の需給バランス調整機能として活用するなど、新たなサービスを開発していく。
VPPプロジェクト②:法人や家庭などの顧客を対象とした取り組み
企業のオフィスや工場などの法人をはじめ、店舗や家庭などの顧客が所有している太陽光や蓄電池、ヒートポンプ、空調などの設備・機器をVPPのエネルギーリソースとして活用する(図4)。
また、設備や機器の運転(稼働・抑制・停止など)を遠隔制御し、図4に示すように、電力の需給状況に合わせて、顧客の設備・機器の稼働時間をスライドするなど、電力の需給バランスを調整する。
さらに、太陽光と蓄電池を組み合わせて運用し、電気使用量を最適化させるなど、顧客の省エネルギーや省コストなどにつながるサービスを開発していく。