P2P電力取引以外の応用へのポテンシャル
ここまで、太陽光発電の余剰電力を供給電力としたP2P電力取引を中心に述べてきたが、電力取引プラットフォームを提供する応用はP2P電力取引に限定されるものではない。各社が提供する応用について、表2にまとめた。
表2 主な電力取引プラットフォームが提供する応用
出所 各社Webサイトおよびホワイトペーパー等をもとに著者作成
各社は幅広い応用を掲げているが、中心となる応用はやはりP2P電力取引およびP2P電力取引を使ったマイクログリッドのようである。その他の応用に関しては、まだ実証実験などの話も聞かれていないのが現状であり、このうち何がブロックチェーンの真価を発揮する応用であるかは、今後の発展を見る必要がある。
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今回(第2回)では、電力取引プラットフォームの技術的な側面を中心に説明した。電力取引プラットフォームの今後のビジネスの展望および課題については、第4回の記事にて議論する。
次回(第3回)では、再エネ発電所に関する資金調達プラットフォームの事例を取り上げる。
(第3回につづく)
◎プロフィール(敬称略)
大串 康彦(おおぐし やすひこ)<
株式会社エポカ 代表取締役
1992年荏原製作所入社、環境プラントや燃料電池発電システムの開発を担当。2006年から2010年までカナダの電力会社BC Hydro社に在籍し、スマートグリッドの事業企画担当・スマートメータインフラ入札プロジェクトチームに参加。その後、日本の外資系企業で燃料電池・系統要蓄電池等のエネルギー技術の事業開発を担当。
yasuhiko.ogushi@epoka.jp