[特別レポート]

IoT向け基盤「SORACOM Air for セルラー plan-K」がスタート!

― NTTドコモ回線に加えKDDI回線にも対応 ―
2018/06/01
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

IoTの進展とともに、さまざまなネットワークに接続されるIoTデバイスの数は、2020年には、数百億個に達すると予測されている。このような背景のもとに、ソラコム(SORACOM)が提供するIoTシステム基盤「SORACOMプラットフォーム」は、複数の無線ネットワークと複数のクラウドを連携させることができ、顧客数は10,000ユーザー(個人を含むユーザーアカウント数)にまで普及・発展している。そのソラコムは、2017年8月にKDDIグループに参画し、KDDIと共同でKDDIの基盤「KDDI IoTコネクトAir」とソラコムの基盤「SORACOM Air for セルラー」を統合させ、2018年5月9日から「SORACOM Air for セルラー plan-K」(K:KDDI)という名称でサービスの提供を開始した。
ここでは同サービスの詳細について、レポートする。

進化・発展するSORACOMプラットフォーム

 ソラコムは、2015年に創業し同年9月にSORACOMサービスを開始したIoT分野の先端企業である。SORACOMサービスは、同社で開発されたSORACOMプラットフォームをベースに、現在も進化・発展を続けている。

 このたびソラコムは、2018年5月9日から「SORACOM Air for セルラー plan-K」(K:KDDI)のサービスの提供を開始した。これによって、「SORACOMプラットフォーム」は、LTE/3Gなどのセルラー分野では、NTTドコモ回線「plan-D」(D:DOCOMO)とKDDI回線「plan-K」という2つの巨大なキャリア回線と連携することが可能となり、新世代の「SORACOMプラットフォーム」へと進化することになった。

 これまで、SORACOMプラットフォームは、図1に示すように、基本的な内容として、

(1)LTE/3Gなどのセルラー(モバイル移動通信システム)や、IoT向けLPWA注1(LoRa-WANやSigfoxなど)と、

(2)アマゾンのAWS、マイクロソフトのAzure、グーグルのGoogle CloudおよびSORACOMパートナーのクラウドなどの複数のクラウド

を連携させ、「無線に依存しない、クラウドに依存しない」で、どのような使い方にも同じように対応できるプラットフォームを提供してきた。

〔2〕欧州・米国・シンガポールにも進出

 ソラコムは、2017年8月にKDDIのグループに参画し、KDDIとの基盤統合によってさらにマーケットを拡大している。2018年5月には、顧客(ユーザー企業)数は、大企業からスタートアップ企業に至るまで10,000(個人を含むユーザーアカウント数)を超え、さらに米国、欧州とシンガポールなどに拠点を構えるなど、積極的な海外展開も行っている。

〔3〕SORACOMプラットフォームの特徴

 IoT実現の共通基盤である「SORACOMプラットフォーム」は、次のような特徴を備えている(図1、図2)。

図1 あらゆる無線とクラウドをセキュアにつなぐSORACOMプラットフォーム

図1 あらゆる無線とクラウドをセキュアにつなぐSORACOMプラットフォーム

Wireless Agnostic:無線に依存しない、Cloud Agnostic:無線に依存しない
出所 株式会社ソラコム、「メディア向け発表会」資料(2018年5月9日)より

図2 SORACOMプラットフォームの構成

図2 SORACOMプラットフォームの構成

サービスはSORACOM Air~Junction(DだけDirectとDoorの2つ)の11種類
出所 株式会社ソラコム、「メディア向け発表会」資料(2018年5月9日)より

(1)「SORACOM Air」から「SORACOM Junction」まで、アルファベット順に11種類(DのみDirectとDoorの2つ)のサービスを提供している。それらのサービスは、IoT向けデータ通信レイヤサービス「SORACOM Air」をはじめ、ネットワークレイヤサービス(Canalなど5種類)、アプリケーションレイヤサービス(Beamなど5種類)など計11種類が提供されている(図2、https://soracom.jp/services/)。

   特に、「SORACOM Air」は、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」において、データ通信の接続性を提供する主軸のサービスである。SORACOM Airは、これまでセルラー(2G/3G/LTE)、LoRaWAN、Sigfoxの3つの通信規格に対応。このうち、セルラーに対応する「SORACOM Air for セルラー」は、データ通信SIMカードによって、セルラー網を利用するサービスであり、これまでは国内向け(NTTドコモ回線、plan-D)とグローバル向け(plan01s)が提供されてきた。

(2)また、11種類のサービスのうち、セキュアな閉域網サービスでは、「SORACOMプラットフォーム」と「複数のクラウド」を、専用線接続(Direct)したり、VPN(仮想専用線)接続(Door)したりすることが可能となっている。

(3)このプラットフォーム機能をグローバル展開するため、グローバルSIMを2016年12月に米国市場で、2017年2月に欧州で提供を開始した。これによって、世界100カ国以上で機器をつなぐことが可能となった。このSIMは、カード型のSIMだけでなく、通信デバイスに組み込めるチップ型SIM注2も、2017年の10月から販売開始されている(写真1)。

写真1 従来のカード型SIMとチップ型SIMの外観

写真1 従来のカード型SIMとチップ型SIMの外観

※国内向け(NTTドコモ回線、plan-D)とグローバル向け(plan01s)を提供
※2016年12月に米国、2017年2月に欧州でグローバル向けSIMのサービスを開始。現在は複数の通信キャリアと契約し、日本、欧米、アジアを含むグローバルな国と地域に展開。
出所 株式会社ソラコム、「メディア向け発表会」資料(2018年5月9日)より

(4)さらに、SORACOMに関する技術資料やマーケティング支援などのサポートを提供するSPS(SPS:SORACOM Partner Space、SORACOMのパートナープログラム)も強化されている(表1)。すでにSPS認定済パートナーは96社に達し、さらにSPS申請パートナーは440社を超える勢いだ(2018年5月9日現在)。

表1 SORACOM のパートナープログラム(SPS:SORACOM Partner Space)

表1 SORACOM のパートナープログラム(SPS:SORACOM Partner Space)

※1 SPS認定デバイス90種類以上:ゲートウェイ、ルータ、通信モジュール、モバイル/ドングル、車載/GPSデバイス、カメラ/特殊デバイス等
出所 株式会社ソラコム、「メディア向け発表会」資料(2018年5月9日)より


▼ 注1
LPWA:Low Power Wide Area、IoT向けの省電力型・広域無線通信ネットワーク

▼ 注2
チップ型SIM:MFF2(Machine to machine Form Factor 2)と呼ばれる5㎜×6㎜と小さいサイズのICチップにSIMの機能を搭載している。通信デバイスに組み込んで利用できる。電子基板上に直接組み込むため振動などに強く、車載や工業製品などM2M/IoT向けに最適なSIMとなっており、SORACOMの各種サービスを使用することができる。なお、組込み型SIMをeSIM(embedded SIM)という。

ページ

関連記事
新刊情報
 インターネットの商用化から四半世紀が過ぎ、第4次産業革命の時代を迎えています。第4次産業革命とは「産業のデジタル化」を意味し、現在、これを支える共通の情報通信基盤の構築が求められています。  ...
 2015年頃より、IoT(InternetofThings)や人工知能(AI)が注目され始め、これらの技術を使って家電や自動車などあらゆるモノがネットワークにつながり、効率的な社会を創造することが期...
 いよいよ日本でも、IoT時代に必須のLPWA(Low Power wide Area、省電力型広域無線網)サービスがスタートします。  第4次産業革命に向けて、エネルギー、ヘルスケア、製造業、...