ローム(ROHM):自動運転車時代の半導体ICを展示
半導体メーカーのローム(ROHM、京都市)は、IoTやEV化、自動運転などの変革期にあるモビリティ社会を支える多彩な車載デバイスを紹介していた(写真6左)。小型・軽量化、省エネ・効率化をキーワードに、これらを実現する半導体や電子部品を、「電動化」「自動運転」「接続性」の3エリアに分けて展示した。
写真6 展示用のモデルカー(左)と車載されるチップセット群(右)
出所 編集部撮影
- 電動化:世界最先端のSiC(シリコンカーバイド)パワーデバイスをメインモーターのインバータに採用することで、小型・軽量化とともに高効率化を実現。また、自動ステアリングチルト(スマートフォンで個人認証を行って乗車することで、事前に登録されたドライバーの位置までハンドルを自動調整)、ADB(Adaptive Driving Beam、ヘッドライト光の自動調節)の他、アンビエント照明(室内環境に合わせた照明)用ICなどを展示
- 自動運転:ソナーセンサー(自動駐車システムやアクセルの誤踏込防止システム用)、CMOSカメラモジュール(自動運転化に必須となるドライバーの目の代わりになるモジュール)などを展示
- 接続性:ワイヤレス給電(スマホを置くだけで、Qi規格で自動充電)や、ハンドルに埋め込まれた光学式の脈波センサーICによって、ドライバーの脈波をセンシングしてセンタークラスタディスプレイに表示するなどの部品を展示
写真6(右)は、自動車において電子ミラーやサイドミラーなども含めて電子化が進んでいるため、表示する液晶パネルを駆動するために車載されるチップセット群である。
KDDI:5Gを活用して地方活性化を目指すバーチャル観光案内所
写真7 ブース内にバーチャル観光案内所に設置した望遠鏡型VRの「VR View Scope」
出所 編集部撮影
KDDIは、5Gを活用して地方を活性化しようと、ブース内にバーチャル観光案内所を開設していた。遠隔からの施設の見学や観光案内をよりリアルにしようと、超高速・低遅延の5Gモバイル通信の特徴を活かして、世界初の12K、360度画像対応のVR(Virtual Reality、仮想現実)を実演した。
写真7の中央に位置するスタンドが、望遠鏡型VR「VR View Scope」であり、上から順に、
- 2.5Kの有機ELディスプレイを搭載したVRゴーグル(上部の2つ◎の部分)
- コインセレクター(投入されるコインの判別機、中央の四角の窓の部分)
- コンテンツ投入・再生システム(最下位にある箱)
が配置されている。「VR View Scope」は、写真7に示すように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着しないで従来の望遠鏡型と同じ使い勝手で体験できるため、料金を入れて覗くだけで高品質な360度の3D映像を視聴できる。
また、高速な5G回線を利用して、あらかじめ撮影して編集した映像や、定点観測している映像などのコンテンツを、コンテンツ投入・再生システムに蓄積することなども可能である(雨の日でも晴れた日の景色を見ることができる)。今後、観光だけでなくスポーツや音楽イベントを、さまざまな角度から楽しむなどの利用法も検討されている。