NTTドコモ:5Gを活用した360度パノラマ8K VRライブ配信・視聴システム
NTTドコモは、会場から離れた場所に居ても臨場感のあるスポーツやコンサート映像を体験できる、5G通信を利用した360度パノラマ8K VRライブ配信・視聴システムで、次のようなデモを行った(図1)。
図1 360度パノラマ8K VRライブ配信・視聴システム
FPGA:Field Programmable Gate Array、設計者が自由にプログラミングできる集積回路(LSI)
出所 編集部撮影
- 図1の左下に示す、会場設置の「魚眼レンズ付きの4Kカメラ5台」で、高品質な4K魚眼形式の映像を撮影する。
- (1)の映像をリアルタイムスティッチング注1装置でリアルタイムに合成し、毎秒30フレーム(30fps)の映像を作成する。
- (2)の360度8Kの映像をサーバへ配信するために、リアルタイムH.264エンコーダで圧縮し、5G回線(伝送速度は80〜200Mbps)経由でリアルタイムパノラマ超エンジンエンコーダに送信する。これによって、360度8K映像を複数方向のタイル(矩形状の画素ようなもの)に分割する。
- (3)のタイルをユーザーの視聴方向に合わせて配信するサーバから、視聴者のヘッドマウントディスプレイ(HMD)へ5G回線(伝送速度は80Mbps)で送信される。これによってユーザーは、8K VRライブ映像を楽しむことができる。
同システムは、今後、遠隔地のスポーツやコンサートだけでなく、美術館で絵画を楽しんだり、遠隔地同士のコミュニケーションによる3Dコンテンツの共同開発などへの活用が期待されている。
ニチコン:本格的なEV時代を見据えたトライブリッド蓄電システム
アルミ電解コンデンサや家庭用蓄電システム、V2Hシステムなどを開発・製造・販売するニチコン(京都市)は、IoTやウェアラブルなどに最適な新小形リチウムイオン二次電池や、本格的なEV時代を見据えた「太陽電池」「蓄電池」「EVの内蔵電池」の3電池(トライブリッド)をつなぐ蓄電システム「トライブリッド蓄電システム」(図2)を出展した。ニチコンのV2Hスタンドに、日産のEV「LEAF」を充電するなどのデモを行った。
このトライブリッド蓄電システムは、写真8に示すように、次の3つの機器で構成されている。
- トライブリッドパワコン:太陽電池、蓄電池、EVの内蔵電池の3電池を統合制御する装置。それぞれの充放電動作をDC(直流)接続のまま高効率に行うことができる。通常時は5.9kWの大出力で、停電時でも3kVAの出力が可能。
- 蓄電池ユニット:電池容量は4kWh。ライフステージの変化に合わせて増設(増設ユニット:4kWh)することができ、合計8kWhに拡張可能。
- V2Hスタンド:系統電力からだけでなく、太陽光発電や蓄電池からEVへの倍速充電が可能。また、通常時には、割安な夜間電力をEVに充電し、昼間はEVのバッテリーに蓄えた電力を家庭に給電する(V2H:Vehicle to Home)ことで、家計の節約も可能となる。さらに、停電時のバックアップ電源としても使用できる。
写真8 日産の電気自動車LEAFでデモするニチコンのトライブリッド蓄電システム
出所 編集部撮影
▼ 注1
スティッチング:複数のカメラで撮影された映像を境界がわからないようにつなぎ合わせること。