[SDGsをバックアップする技術イノベーション]

第3回 SDGs達成のための5Gなどモバイル関連技術の活用

2020/01/23
(木)
新井 宏征 インプレスSmartGrid ニューズレター コントリビューティングエディター

世界では5Gの商用サービスはすでに開始され、日本でもいよいよ2020年春から5Gの商用サービスが開始される。
これまでの2回の連載では、目標の2030年まであと10年となったSDGsの目標達成のために新技術、特にICT関連の技術が活用できることを事例を中心に見てきたが、最終回となる今回は、ICTの中でも近年注目されている5Gなどのモバイル技術とSDGsの関連を確認していく。その上で、企業としてSDGsに関する取り組みをどのように進めれば良いのか、そのヒントを紹介する。

世界における5Gサービスの提供状況と今後の予測

 米国や韓国、中国など、すでに世界各国で5Gサービスが開始されており、日本でも2020年の春には5Gの商用サービスが開始される予定である。2020年、5Gへの注目度は、ますます高まってきている。

 2019年12月に米国マウイで開催されたクアルコムの「Snapdragon Tech Summit」では、世界109カ国325以上の事業者が5Gへの投資を進めていることが明らかにされた注1

 GSMA(GSM Association)が毎年公表しているレポート「The Mobile Economy」の最新版「The Mobile Economy 2019注2」(2019年2月公表)によると、2025年には世界の約半数の国が5Gサービスを提供開始すると予測している。同じくGSMA(GSM Association)が2019年11月に公表した「Global Mobile Trends 2020注3」では、2025年の国別の5G普及率(予測)が示されているが、それによると1位が韓国の66%、2位が米国の50%、そして3位は日本で普及率は49%と予測されている。

 このような5Gをはじめとするモバイル通信技術や端末の発展によって、2018年には約36億人だったモバイルインターネットユーザーが、2025年には約50億人にまで増加すると予測されている。

5Gが産業分野にもたらすイノベーションの可能性

 総務省による「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望注4」でも明らかにされているとおり、5Gをこれまでの3G、4Gの延長としてとらえてはいけない。5Gの主要性能である「超高速(eMBB)」「同時大量接続(mMTC)」「超低遅延・高信頼(URLLC)」を踏まえると、5Gサービスが普及することで、単に通話や通信における性能が改善されるだけではなく、さまざまな産業分野でこれまでには実現できなかった(あるいは実現しにくかった)サービスを実現できる可能性が広がるのである(図1)。

 先に紹介したGSMAの「The Mobile Economy 2019」では、2018年に91億台だったIoTの接続数が、2025年には約3倍の252億台にまで増えると予測している。

図1 5Gがもたらす産業への影響

出所 「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」6ページ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000633132.pdf


▼注1
クアルコムのアモン社長が語る「5G」カバーエリアを拡大できる期待の技術「DSS」とは - ケータイ Watch

▼注2
GSMA Intelligence — Research — The Mobile Economy 2019

▼注3
https://www.gsmaintelligence.com/research/2019/11/global-mobile-trends-2020/827/

▼注4
https://www.soumu.go.jp/main_content/000633132.pdf

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