[クローズアップ]

「再エネ型経済社会」の創造に向けた検討状況 ≪その1≫

― 分散型エネルギーシステムの構築:FIP制度とアグリゲーターの創設 ―
2020/09/02
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

世界的に、脱炭素化への流れは加速を続けており、再エネコストの低価格化(図1)と相まって、脱炭素・分散型の再エネ社会への期待はますます強まっている。この潮流はアフターコロナの社会においても、更に加速が進むものと考えられる。
日本の再エネ電力導入への取り組みは、2012年7月に再エネ特措法が施行されたのを契機に、FIT制度(再エネの固定価格買取制度)による再エネの導入が拡大してきた。そして、2020年6月、再エネ特措法や電気事業法などの改正が盛り込まれた「エネルギー供給強靱化法」が可決・成立した(第201回通常国会、関連記事:特集)。
ここでは、この法律の改正内容のポイントを整理するとともに、政府が進めている「再エネ型経済社会」の創造に向けた検討内容、特に再エネを軸とした分散型エネルギーシステムの構築についてダイジェストする。

図1 世界の再エネコストの動向

図1 世界の再エネコストの動向

出所 

「再エネ型経済社会」を創造して早期の主力電源化を目指す

 現在、政府は、「再エネ型経済社会」をいかに創造し、早期に再エネの主力電源化を達成していくかについて、次の3つの論点で、課題の特定と対策案の検討を進めている(図2)注1

  1. 産業:諸外国ではビジネスベースでの再エネの導入が進みつつある中で、日本の再エネをどのように低コスト化し、安定的な導入を可能とする「競争力ある産業」に進化させていくか。
  2. 社会基盤:分散型の再エネを効率的・大量に利用可能な経済社会システムの構築に向けて、電力系統などの「産業社会インフラ」の整備をどのように進めていくか。
  3. 地域社会: 再エネが地域や社会から受容され、持続可能な形で導入が拡大してくような「再エネ型の地域社会」をどのように構築していくか。

図2 「再エネ型経済社会」の創造に向けた取り組み

図2 「再エネ型経済社会」の創造に向けた取り組み

出所 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/018_02_00.pdf

 ここで、エネルギー供給強靭化法における再エネの主力電源化に向けた主要な改正項目を整理すると、表1のようになる。

表1 エネルギー供給強靭化法の再エネ主力電源化に向けた主要な改正項目

表1 エネルギー供給強靭化法の再エネ主力電源化に向けた主要な改正項目

NW:Network、送配電網
出所 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/018_02_00.pdf をもとに編集部で作成


▼ 注1
「再エネ型経済社会」の創造に向けて 〜再エネ主力電源化の早期実現〜、2020年7月22日、資源エネルギー庁

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