北欧最大のエネルギー企業であるノルウェーの「エクイノール」(Equinor ASA)は、2020年10月1日、世界最大規模88MWの浮体式洋上風力発電所「Hywind Tampen(ハイウィンド・タンペン)」の建設を開始した注1。
Hywind Tampenは、ノルウェー沿岸から約140km離れた場所に設置される洋上風力発電所(ウィンドファーム)で、その地点の水深は260〜300mである。
浮体式洋上風力発電所の風力タービン(写真)には、シーメンスのSGRE(Siemens Gamesa Renewable Energy)注2の「SG 8.0-167DDタービン」が11基(1基:8MW)使用され、総出力88MWの定格出力となっている。
写真 Siemens Gamesaの風力タービン「SG8.0-167DD」
出所 https://www.siemensgamesa.com/products-and-services/offshore/wind-turbine-sg-8-0-167-dd
11基の洋上風力タービンは、長さ2.5km、電圧66kVの、動的アレイ間ケーブルシステムによってループ状に接続される。発電された電力は、沖合で操業しているノルウェーの代表的なガルファクス(Gullfaks)油田とスノーレ(Snorre)油田などの石油ガス生産設備へ直接供給するという、世界初の試みが行われる。
Hywind Tampenが稼働すると、両油田からのCO2排出量は、年間20万トンの削減効果があると試算されており、これは自家用車10万台の年間CO2排出量に相当する(Hywind Tampenは2022年の第3四半期に運転開始予定)。
表 浮体式洋上風力発電所「Hywind Tampen」プロフィール
出所 https://www.equinor.com/en/news/20201001-contruction-start-hywind-tampen.html などをもとに編集部で作成
注1 https://www.equinor.com/en/news/20201001-contruction-start-hywind-tampen.html
注2 2020年9月28日、シーメンスは、ガス・電力・風力発電(SGRE)をSiemens Energyとして分社化し、上場した。