「GXリーグ」と「脱炭素先行地域」で脱炭素を加速
表3 脱炭素先行地域の選定結果(第1回)一覧(26カ所。共同提案者の名前は省略)
出所 環境省「脱炭素先行地域選定結果(第1回)について」、2022年4月26日、詳細は https://www.env.go.jp/press/110988/117963.pdf
このような背景のもと、政府は日本のNDCの実現を加速させるため、新しく、「GXリーグ」と「脱炭素先行地域」の2つの取り組みを開始した。
- 経済産業省は、GXを推進する企業群(リーグ)が、官学と協働し、2050年カーボンニュートラルの実現と社会変革を目指すため、「GXリーグ」(予算:2021年度の補正予算10億円)を2022年2月1日に立ち上げ、公募によって賛同企業440社が参画(表2)し、2023年度の本格スタートに向けて、2022年4月1日から始働した注1(後出の表4)。
- 環境省は、2030年度(2050年度ではないことに要注意!)までに、電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロに取り組む自治体を「脱炭素先行地域」と位置づけ、全国で最終的に100カ所以上を選定する方針だ。第1回の公募によって、表3に示す全国26カ所の自治体を選定して2022年4月26日に発表し、取り組みを開始した(2022年度の支援予算200億円)注2。
GXリーグ:経済社会システム全体を変革
ここで、「GXリーグ」について、簡単に見ていこう(表4)。
表4 GXリーグのプロフィール
出所 https://gx-league.go.jp/#about
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/GX-league/gx-league.html
「GXリーグ」は、2050年カーボンニュートラルの目標を見据えながら、当面、2030年における国としてのGHG排出量の削減目標の達成に向けた取り組みを、経済成長の機会ととらえ、GHG排出量の削減と国際的な産業競争力の向上に向けて、経済社会システム全体を変革する組織である。
これを実現するには、GXリーグに、図4に示すような循環構造が求められるが、
- 企業自身が自主的に策定したGHG排出量削減を積極的に行いながら、
- 企業自身が関連するバリューチェンに対して排出削減を行い、
- 企業から提供される商品を購入する生活者に、脱炭素製品であることが明示されて提供され、積極的にそのような商品を選択できるようなGX市場の拡大
が重要となる。
〔2〕GXリーグの3つのプロジェクト(場)
これらの内容については、すでに設立されている「GXリーグ設立準備会」で検討され、GXリーグ内に設置される、次の3つの場(プロジェクト)で、具体的に取り組まれていく(表5)。
- 未来社会像対話の場
- 市場ルール形成の場
- 自主的な排出量取引の場
今後の展開:本格稼働に向けて
「GXリーグ」について、今後の展開は、次のようなロードマップとなっている。
①GXリーグ実証を実施する企業の募集・選定
②GXリーグの実証実験
③2022年末頃には、GXリーグの本稼働に向けたルール作り
④2023年4月1日から本稼働
これらの施策によって、日本の2050年カーボンニュートラルが加速し、新たなビジネスモデルが創生され、国際競争力の強い日本企業へと進化していくことを期待し、注目していきたい。
▼ 注1
経済産業省ニュースリリース「440社の「GXリーグ賛同企業」と共に、カーボンニュートラルに向けた社会変革と新たな市場創造の取組を進めます!」2022年4月1日、