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[ニュース]

100%再エネによる店舗運営、循環型ビジネスを展開する「IKEA前橋」がオープン!

太陽光1000kW、蓄電池600kW、EV充電器8台を導入
2024/02/21
(水)

群馬県前橋市に2024年1月オープン

 再エネ100%の店舗運営を2018年から行うなど、持続可能な社会の実現に向けて高い意識と先進的な取り組みを展開しているスウェーデン発祥のイケア(IKEA)社の日本法人、イケア・ジャパン株式会社(以下、イケア・ジャパン)。「資源の無駄遣いは人類最大の病である」と主張する創業者、カンプラード氏の思想やそれに基づく取り組みの数々を、本サイトでも紹介してきた(本記事末尾の参考サイト参照)。
 その最新の展開として、「日本国内で環境負荷が最も低い店舗運営を目指す」をテーマとする新店舗「IKEA前橋」を、群馬県前橋市に2024年1月18日にオープンした(図1)。IKEA前橋は、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入など、これまでの環境に対するイケア・ジャパンの取り組みを集約するとともに、省資源・省エネルギーに関する最新の機器やシステムを導入し、テーマの実現を目指す。

図1 2024年1月にオープンしたIKEA前橋

出所 イケア・ジャパン株式会社 ニュースルーム 2024年1月11日、
イケア、最も環境負荷に配慮したストア「IKEA前橋」を2024年1月18日(木)にオープン

循環型ビジネスを目指す、イケア・ジャパン

 イケア・ジャパンでは、全店舗・再エネ100%化などにより店舗運営から排出される温室効果ガスの量を2023年度までに95%削減(2016年度対比)。さらにLED電球やエネルギー管理システム導入などでエネルギーの使用量を、2022年度までに40%削減(2010年度対比、平方メートルあたり)している。

 加えて、循環型ビジネスへのシフトを念頭に、2030年までに事業から排出されるゴミ(熱回収を含まず)を100%リサイクルする目標を設定。製品寿命の延長、ゴミの削減や分別の徹底のほか、食品廃棄物に関してはAIツールの導入などによって、2023年度に59.48%削減(2017年度対比)を達成した。
 また2017年度からは、不要となったイケア家具を買い取りメンテナンス後、各店舗で販売している。これまで45,000点以上の家具を買い取り、そのうち97%を再販している。

IKEA前橋は、商業店舗の国際認証で日本初取得を目指す

 IKEA前橋では、開店時に1000kW(=1MW)の太陽光発電を導入(図2)、さらに2024年末までに600kWの蓄電池を設置し、エネルギー自給率36%を目指す。これは国内店舗では最も高い自給率となる。不足分は、電力小売市場からの調達によって100%再エネによる店舗運営を行う(非常用電源を除く)。
 また、節水を目的に店舗運営で最も水を使う客用トイレに、雨水利用のトイレと無水小便器を導入(図3)。植栽の水やりに雨水を利用するほか、店舗併設のレストランのキッチンに節水型水栓を導入する。
 店舗運営で廃棄が最も多い段ボールに関しては専用の圧縮機を導入し、回収時の運搬回数を抑え環境負荷を低減する。
 さらに顧客向けに、EVなどのエコカーでの来店者を対象とした優先駐車場を店舗入口に20台分設ける(図4)。これはイケア・ジャパン初の試みで、併せて再エネによるEV充電器8台も設置する。
 これら取り組みを結集することで、IKEA前橋は建造物の環境性能を評価する国際認証、LEED注1(環境性能評価システム)認証(BD+C注2)の取得を目指す。実現すれば、日本国内の商業店舗では初となる見込みだ。

図2 IKEA前橋の屋上に設置された1000kW(=1MW)の太陽光パネル
出所 イケア・ジャパン株式会社 ニュースルーム 2024年1月11日、
イケア、最も環境負荷に配慮したストア「IKEA前橋」を2024年1月18日(木)にオープン

図3 客用トイレ:無水小便器(大幅な節水を実現し、CO2排出量削減にも貢献する)
出所 イケア・ジャパン株式会社 ニュースルーム 2024年1月11日、
イケア、最も環境負荷に配慮したストア「IKEA前橋」を2024年1月18日(木)にオープン

図4 エコカー優先駐車場の案内標識
出所 イケア・ジャパン株式会社 ニュースルーム 2024年1月11日、
イケア、最も環境負荷に配慮したストア「IKEA前橋」を2024年1月18日(木)にオープン


注1:LEED: Leadership in Energy & Environmental Design、建築や屋都市の環境性能評価システム。USGBC(U.S. Green Building Council)が開発、運用し、GBCI(Green Business Certification Inc.)が認証審査を行っている。
注2:BD+C:Building & Design、LEEDで建物周辺の店、施設、サービスや公共交通機関の充実度なども評価する制度。商業のほかデータセンターや医療施設等のカテゴリーがある。

参考サイト

イケア・ジャパン株式会社 ニュースルーム 2024年1月11日、
イケア、最も環境負荷に配慮したストア「IKEA前橋」を2024年1月18日(木)にオープン

無水小便器に関する参考サイト

<SmartGridフォーラム 参考記事>

イケアのサステナビリティ戦略「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」(2017/10/17)

イケアの屋上にメガソーラー、シンガポールで設置作業開始(2017/02/23

IKEAがインディアナ州に建設中の新店舗に1.34MWのメガソーラー設置へ、日本でも計画進行中(2017/04/25)

IKEAの新店舗に設置したEV/PHEV用充電スタンドで、デマンド抑制の実証実験が始まる(2017/10/12)

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