[特集]

イケアのサステナビリティ戦略「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」

― 2020年に再エネで100%のエネルギー自給を目指す ―
2017/10/17
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

家具やインテリア、雑貨製品などのデザイン・製造・販売をしているイケア・グループは、世界28カ国において340店舗を展開している世界最大の家具チェーンである。
同グループでは、持続可能な未来に向けた環境や社会への取り組みとして、2020年までのサステナビリティ戦略「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」(改訂版)を公表している。気候変動への取り組みの1つとして、2016年には販売する照明製品をすべてLED電球に切り替え、7,900万個の販売実績をもち、また2009年以来、再生エネルギー(以下、再エネ)に30億ユーロ(約3,900億円/注1)を投資している。2020年には、事業で消費するエネルギー(電力)の100%を再エネによって自給する計画を推進している。
本記事では、イケア・ジャパン株式会社 Acting Sustainability Manager マティ 絵莉(まてぃ えり)氏への取材をもとに、イケア・グループの2030年までの事業戦略とともに、資源とエネルギーの自立に向けた取り組みを紹介する。

イケア(IKEA)のプロフィール

図1 スウェーデン・スモーランド地方の場所

図1 スウェーデン・スモーランド地方の場所

出所 各種資料より編集部作成

〔1〕イケアのルーツ

 イケア(表1、表2)は、1943年にスウェーデンの南部のスモーランド地方(図1)に設立された。会社名「イケア(IKEA)」の由来は、最初のIK(アイ・ケイ)が、創業者のイングヴァル・カンプラード(Ingvar Kamprad)氏のイニシャル、次のEA(イー・エー)は、創業者が育ったアグナリッド(Agunnaryd)村のエルムタリッド(Elmtaryd)農場(Elmtaryd a farm near the small village of Agunnaryd)の頭文字となっている注2

表1 イケア・グループのプロフィール

表1 イケア・グループのプロフィール

※1ユーロ:130円換算
出所 http://www.ikea.com/ms/ja_JP/pdf/yearly_summary/IKEA_Group_Yearly_Summary_2016.pdf ほか関連情報をもとに編集部作成

表2 イケア・ジャパン株式会社のプロフィール

表2 イケア・ジャパン株式会社のプロフィール

出所 http://www.ikea.com/jp/ ほか各種情報をもとに編集部作成

 カンプラード氏が会社名を登録したのは17歳のときで、スモーランド地方はとても気候が厳しく作物がなかなか育たない貧しい環境であったが、同氏とその家族、さらにそのコミュニティの人たちが協力し合い助け合って暮らしながら、「資源を大切にして、小さなものが多くを生み出す」という価値感や習慣がもともとあった。

〔2〕イケア・ウェイ(IKEA Way)

 創業者のカンプラード氏(1926年誕生)は現在91歳で健在であるが、次のような言葉を残している(写真1)。

写真1 イケアのルーツ「IKEA Way」の提唱者イングヴァル・カンプラード氏(創業者)

写真1 イケアのルーツ「IKEA Way」の提唱者イングヴァル・カンプラード氏(創業者)

出所 イケア・ジャパン株式会社資料より

「資源の無駄遣いは人類最大の病である。資源の取り扱いにイケア・ウェイ(IKEA Way)を取り入れれば小さな努力の積み重ねが大きな結果につながる」

「イケアには、強い価値感(イケア・バリュー)がひとりひとりのコワーカー注3に根付いています。全コワーカーが‘地球と人々への配慮する(Caring for People and Earth)’という価値観を共有し、これらが商品開発の過程においても、相互作用しながら強く生きているのです。コスト意識や資源を無駄にしないこと、連帯感など、これまでの歴史の中で培われたスウェーデンの文化や創業者の考え方が、多くのコワーカーと話している中で、自然と生きていると感じています」とマティ氏は言う。


▼ 注1
1ユーロ=130円換算。以降同様。

▼ 注2
http://www.ikea.com/ms/en_AU/about_ikea/the_ikea_way/history/

▼ 注3
コワーカー:co-worker。ともに働く人という意味。イケアでは従業員のことをコワーカーと呼んでいる。

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