【事例2】パナソニック・グループ:長期環境ビジョン「PGI」を推進
パナソニック・グループは、2022年1月にグループの長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」を発表し、2030年までに全事業会社のCO2排出量を実質ゼロにすることを表明した注5。
この長期環境ビジョンで定める2050年の目標に至るマイルストーンとして、現在、
(1)グループ全社の事業戦略に連動した2030年度の目標値
(2)2022年度から2024年度までの3カ年の環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024」(GIP2024)
を策定し、推進している注6。
同計画では全世界の工場から排出されるCO2を、2030年までにゼロにする目標を掲げているが、図3に示すように、今後の事業の成長によって製造量が増え、それに伴いCO2排出も増加すると予測している。「その成長による増加分は、図3右に示すように、まず省エネでCO2排出量を抑制し、不足分を内外の再エネに切り換えることで、全体のCO2排出量をゼロにする計画だ」(石田氏)。
施策の具体例として、石田氏は、乾電池の生産拠点である大規模な二色の浜(にしきのはま)工場(大阪府貝塚市、2023年4月稼働開始、月産最大4,800万個)を挙げた(図4)。同工場は、すでにCO2排出ゼロの生産体制を実現しているが、2023年度中には、全世界の乾電池の製造拠点でゼロ化を達成する予定となっている。
図3 パナソニック:2030年までに全工場を CO2ゼロへのロードマップ
BAU:Business As Usual、通常業務
PAS:パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社
PID:パナソニック インダストリー株式会社
PEC:パナソニック エナジー株式会社
[出典]パナソニックホールディングス、パナソニックの環境経営、Panasonic GREEN IMPACT 2024(環境行動計画 「GIP2024」)
出所 自然エネルギー財団 石田雅也、「2030年にCO2排出ゼロへ 先進企業の自然エネルギー(再エネ)調達」、(自然エネルギー3倍化セミナー)、2024年1月17日
図4 2023年4月に本格稼働したパナソニック エナジーの乾電池生産拠点「二色の浜工場」
[出典]パナソニックエナジー
出所 自然エネルギー財団 石田雅也、「2030年にCO2排出ゼロへ 先進企業の自然エネルギー(再エネ)調達」、(自然エネルギー3倍化セミナー)、2024年1月17日
注5:パナソニック、「今すぐできる「ACT」から始めよう パナソニックが掲げる共創型のカーボンニュートラル」
注6:パナソニック・グループ「環境:中長期環境ビジョン」