【事例3】トヨタ自動車:再エネと水素でグリーンファクトリーを推進
トヨタ自動車は、自社工場のCO2排出ゼロの目標達成を2050年(カーボンニュートラル)としていたが、それを2035年までとし、大きく15年も前倒しした(図5)注7。
「同社では、生産の各プロセスで業務を見直し、無駄を徹底的に排除する‘カイゼン(KAIZEN)’の手法を得意としているが、それをCO2排出削減にも応用し、グリーンファクトリーを目指している」と石田氏。図5下部の点線枠に示すように、工場で利用するエネルギーに再エネと水素も利用する。
主力工場の1つである愛知県渥美半島に位置する田原工場(愛知県田原市)では、20MW超(21.5MW=4300kW機×5基)の風力発電所を建設し、そこからの電力を自家消費する。「また図6の下段に示すように、燃料電池車〔FCEV(FCV)〕などの次世代自動車を製造している別の工場では、工場内に設置されたオンサイトの太陽光発電によってグリーン水素を製造しています。これによって、従来、電池パックの製造工程で使用されていた化石燃料によるバーナーを、このグリーン水素によるバーナーに切り換えられています」と石田氏は説明した。
図5 2050年CO2排出ゼロの達成目標を15年前倒して2035年までに改定
[出典]トヨタ自動車
出所 自然エネルギー財団 石田雅也、「2030年にCO2排出ゼロへ 先進企業の自然エネルギー(再エネ)調達」、(自然エネルギー3倍化セミナー)、2024年1月17日
図6 トヨタ自動車の田原工場では風力と太陽光発電の電力でグリーン水素を製造
[出典]トヨタ自動車
出所 自然エネルギー財団 石田雅也、「2030年にCO2排出ゼロへ 先進企業の自然エネルギー(再エネ)調達」、(自然エネルギー3倍化セミナー)、2024年1月17日