[特集]

対談:NGNリリース1と技術的チャレンジを語る(5):ユビキタス社会への発展とNGNの今後の課題

2007/03/26
(月)
SmartGridニューズレター編集部

NGNへの理解こそ新しいサービスの源泉

—最後に一言ずつお話いただけますか

森川 NGNはまだまだ理解されていないところが多いと思います。解説記事を読んでも、三文字略語とかが次々に出てきて、ちんぷんかんぷんなところもあります。ですから、広報活動のようなものによって、いろいろな方々に広くわかっていただくことが重要です。このようにして、多くの人たちに共通の理解でもっていただければ、NGN上で何ができるかを考えられるようになると思います。

今のフェーズでは、それがとても重要ではないかと思います。ですから、今のNTTのショールームでやっているNTTのデモだけがNGNのサービスではないということを、よく伝えておく必要があります。あのデモだけ見ても、従来のサービスとあまり変わらないじゃないかという誤解を与えかねない面があります。

村上 そうですね、フィールド・トライアルという小さな発信から多くの方々がNGNに興味を持っていただき、多くの方々にいづれはNGNに参加していただき、さまざまな方々によってNGNを創り上げていくようになると良いと思います。NGNの可能性は、内外も含めた多くの企業や、研究機関や個人などとの連携を深める中で、新しいサービスが作られていくものと考えています。

—ありがとうございました

■■■

プロフィール

森川博之氏

森川 博之 (もりかわ・ひろゆき)

東京大学 大学院工学系研究科
電子工学専攻 教授

略歴
1987年 東京大学 工学部 電子工学科卒業。1992年同大学院博士課程修了。1997年〜1998年 コロンビア大学客員研究員。2002〜2006年 NICTモバイルネットワークグループリーダ兼務。現在は東京大学で教授を務め、コンピュータネットワーク、モバイルコンピューティング、無線ネットワーク、フォトニックインターネット等、多岐にわたる分野で活躍している。総務省情報通信審議会、国土交通省交通審議会専門委員。


村上龍郎氏

村上 龍郎 (むらかみ・たつろう)

NTTサービスインテグレーション基盤研究所
主席研究員

 

略歴
1981年 日本電信電話公社(現NTT)に入社、武蔵野電気通信研究所。以来、通信ソフトウェアの研究、交換機ソフトウェアの開発、広域LANの構築、インターネットオフロード・VoIPの研究開発を担務し、現在、NGNアーキテクチャの検討をはじめ、NGN関連の標準化に向け精力的に活動している。

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