≪2≫AVCとは?
[1]AVCの正式名は「MPEG-4 Part10:AVC」
一方、H.264/AVCの「AVC」(Advanced Video Coding、高度動画像圧縮符号化標準)は、MPEG-4規格のパート10(「第10部」と言う意味)に位置づけられている標準なので、正式には「MPEG-4 Part 10:Advanced Video Coding(略してMPEG-4 AVCとも言われる)」という標準名を略した表現です。
「MPEG-4 Part 10:AVC」のMPEG(エムペグ。Moving Picture Experts Group、動画像符号化専門家グループ)とは、ISO/IEC JTC1という組織のマルチメディア符号化作業グループの呼び名で、グループと同時にそのグループで作った標準もその名で呼ばれています。ISO/IEC JTC1とは、ISO(International Organization for Standardization、国際標準化機構)とIEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)という2つの国際標準化機関が合同で設立したJTC1(Joint Technical Committee 1、第1合同技術委員会)という組織です。
ISO/IEC JTC1によって標準化された動画像圧縮符号化標準は、表1-2に示すようにMPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、MPEG-4 AVCの4つがあります。
MPEG-4は、MPEGの作った第3番目のマルチメディア圧縮符号化標準を表しています(注:MPEG-1、MPEG-2の次のMPEG-3はその機能がMPEG-2に統合されたため、欠番となり存在しない)。
MPEG-4 Part 10とは、MPEG-4の規格書がPart 1(識別番号:ISO/IEC 14496-1)から順番にパートの番号が振られて構成され、その10番目のパート(ISO/IEC 14496-10)ということです(現在普及している「MPEG-4ビジュアル(画像圧縮)」はパート2であり、その識別番号はISO/IEC 14496-2となっている)。