特集

Q&Aで学ぶH.264/AVC(2):なぜ、圧縮技術が必要か?

大久保 榮

2008年2月28日 0:00

このコーナーでは、最新のICT(情報通信技術)のキーワードをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
ブロードバンド時代の急速な進展を背景に、通信と放送の融合が注目され、本格的な画像コミュニケーション時代が到来しています。このような時代の要請に対応して、新しい「H.264/AVC」という画像圧縮技術が標準化され、国際的な注目を集めています。今回は、圧縮技術を必要とする背景について解説します。

Q&Aで学ぶ基礎技術:最新の情報圧縮技術:H.264/AVC編(2)
Q2

Q2:なぜ、圧縮技術が必要か?

ブロードバンド時代を迎えて通信回線が高速になってきたのに、なぜ圧縮技術が必要なのでしょうか。圧縮技術を必要とする背景を説明してください。
A2

≪1≫回線のブロードバンド化と情報量の増大

「なぜ、圧縮技術が必要か」ということは、いつの時代にも繰り返し出される質問です。たしかにブロードバンド(高速大容量通信)時代を迎え、例えば、図1-2に示すような有線あるいは無線のブロードバンド・アクセス回線は、安く利用できる環境が整ってきました。アクセス回線は高速化し、蓄積媒体もDVDレコーダのような大容量な製品が登場していますが、一方、私たちが扱う文字、音声、写真、動画像などのマルチメディア情報量は、よりカラーフルで高精細なリッチなものが求められるようになり、扱う情報量は時代とともに増大してきています。ここ当分は、情報量の増大による回線に対する需要が、ネットワークによる回線の供給を上回るとみられています。


図1-2 代表的な有線系と無線系のブロードバンド回線(クリックで拡大)

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