デンソーは2016年12月27日、自動車向けステレオ画像センサーとしては世界最小となるセンサーを開発したと発表した。このセンサーはすでにダイハツが採用しており、2016年11月に発売した「タント」の衝突回避支援システム「スマートアシスト3」の画像センサーとなっている。
図 デンソーが開発した世界最小の自動車向けステレオ画像センサー
出所 デンソー
ステレオ画像センサーは、衝突回避支援システム向けのセンサーとして普及している。左右2つのカメラで画像を捉えることで、障害物や歩行者、車線などの「対象物」までの距離を正確に測定できるようにしている。このセンサーを搭載した乗用車は、センサーが捉えたデータを基に、衝突回避の動作を自動で実行したり、車線から逸脱しようとしているときに警告を出す、さらには前照灯のロービームとハイビームの切り替えなど、多様な機能を実現している。
ステレオ画像センサーは機器の特性上、センサーが横に大きくなりがちだった。左右のカメラで捉えた画像を解析して、対象物までに距離を測定するため、対象物を検出できる距離と左右2つのカメラの間隔が正比例するのだ。
デンソーが今回開発した画像センサーでは、レンズの歪みを高い精度で補正し、デンソー独自の「ステレオマッチング技術」を利用することで、左右2つのカメラを従来品の半分の間隔で設置しながら、測定可能な距離を十分確保した。また、センサーを制御する電子制御ユニットも一体化することで、自動車への搭載が容易になった。本体の外形寸法は幅125mm×高さ35mm×奥行き85mmで、左右のカメラの間隔は80mm。
図 新開発のステレオ画像センサーを実車に取り付けたところ
出所 デンソー
小型になり搭載しやすくなったことで、軽自動車のルームミラーの裏側に設置できるようになった。フロントガラスをワイパーが拭く領域にカメラを配置することで、雨天や異物が付着したときも、検出性能を維持できる。また、本体が小型であることから、運転者の視界を邪魔しない。
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デンソー