東京電力フュエル&パワーは2017年4月28日、同社が運営する「横浜火力発電所」(神奈川県横浜市鶴見区)の改良工事が一部完了したと発表した。横浜火力発電所には石油を主な燃料とする「1号機」~「6号機」と、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)を燃料とするガスタービンコンバインドサイクルの「7号系列」「8号系列」が稼働していた。このうち1号機~4号機はすでに廃止となっており、5号機と6号機も長期停止中。今回の改良工事の対象はLNGガスタービンコンバインドサイクルの7号系列と8号系列だ。
図 横浜火力発電所の全景
出所 東京電力フュエル&パワー
7号系列と8号系列には、ガスタービンと蒸気タービンをセットにした「軸」が4組設置してある。今回の改良工事では、ガスタービンと蒸気タービンを交換し、発電効率の向上と出力増強を狙ったもの。2015年7月に7号系列の第2軸の交換が完了し、その後は8号系列の第3軸、第4軸、7号系列の第1軸、第4軸の交換が完了している。今回は8号系列の第1軸の交換工事が完了した。
東京電力フュエル&パワーによると、7号系列と8号系列にそれぞれある4軸は、定格出力が350MW(35万kW)だったが、交換工事によって377MW(37万7000kW)に上がるという。取替工事がすべて完了したら、7号系列、8号系列ともに合計出力は1400MW(140万kW)から1508MW(150万8000kW)となる計算になる。
今回、8号系列の第1軸の交換工事が完了し、残るは7号系列の第3軸と8号系列の第2軸となる。それぞれ2017年8月、2018年1月に交換完了の予定。東京電力フュエル&パワーはすべての交換工事が完了したら、出力が上がるだけでなく、燃料費を年間でおよそ10億円削減できるとの見通しを示している。また、CO2排出量もおよそ3万トン削減できるとのことだ。
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東京電力フュエル&パワー