東芝は2017年9月19日、トルコの大手電力事業者Zorlu Energy Group社がトルコ国内に建設を計画している3件の地熱発電所に蒸気タービンと発電所を納入するための交渉権を獲得したと発表した。3件合計で発電出力はおよそ120MW(12万kW)の見込み。今回の交渉権獲得で、3件の地熱発電所の開発で蒸気量や圧力が東芝の蒸気タービンや発電機の仕様範囲に合致するなどの条件を満たした時に、機器納入について独占的に交渉できる。
東芝は1966年に日本初の商用地熱発電所である岩手県の松川地熱発電所に20MW(2万kw)分の地熱蒸気タービン・発電機を納入し、それ以来北米、中南米、東南アジア、アイスランドなど世界各国に合計54台、発電出力合計にすると3519MW(351万9000kw)分の地熱発電所向け設備を納入し、現在では世界トップとなる23%の市場シェアを握っている。Zorlu Energy Group社も、その実績を評価して交渉権を付与したと考えられる。
図 世界最大級の地熱発電所であるインドネシアの「サルーラ地熱発電所」。ここにも東芝は発電設備を納入している
出所 東芝
トルコでは人口増加に伴って電力需要も増加しつつあり、発電所の新設する計画が数多く存在する。Zorlu Energy Group社の地熱発電所新設計画もその動きに合わせたものだ。すでに東芝はZorlu Energy Group社が建設したアラシェヒル地熱発電所(40MW:4万kW)やクズレデレ第3地熱発電所(140MW:14万kW)に向けた蒸気タービンと発電所を受注している。
今回の交渉権の対象となるのは「クズレデレ第4地熱発電所」「テッカハマン地熱発電所」「クズレデレ第5地熱発電所」の3カ所で、いずれも出力は40MW(4万kW)とZorlu Energy Group社は予想している。3カ所に想定通りの出力で納入が決まれば、合計で120MW相当に機器を納入することになる。
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