Microsoftは2017年10月9日、General Electric(GE)がアイルランドに新設した風力発電所の電力を15年間購入する契約を締結したと発表した。GEは、アイルランド・ケリー州に新設した風力発電所「Tullahennel wind farm(出力37MW=3万7000kW)」で発電する電力を全量供給する。Microsoftは購入した電力を、ダブリンに設置している同社のデータセンターの運営に利用する計画だ。
図 MicrosoftはGEが運営する風力発電所から電力を購入し、その電力でダブリンのデータセンターを運用する
出所 General Electric
Tullahennel wind farmの風力発電設備には、それぞれ出力変動吸収などを目的として、蓄電池を設置してある。MicrosoftとGEは共同で、蓄電池の充放電の動きを示すデータを蓄積する。両社は、このデータがアイルランドにおける電力需要をより高い精度で可能にすると考えている。
GE Renewable EnergyのCCO(Chief Commercial Officer:最高商務責任者)を務めるAndres Isaza氏は「今や、風力発電による電力は市場でも最も価格競争力がある電力の1つとなった。今回はさらに、稼働状況を示すデータを収集している。このデータを活用すれば、発電量をさらに高めることができると期待している」と語っている。
今回、MicrosoftはGEから購入した電力を再販する権利も得た。Microsoftはこの権利を活かして、アイルランドの送電事業者であるElectroRouteが供給を受け、それぞれの需要家に販売する。GEは電力を再販する権利も付与することで、再生可能エネルギーのよる発電設備を、より柔軟な考えで企業が導入できるようになり、結果として再生可能エネルギーへの投資額が増えると考えているという。