Microsoftは2017年11月2日(ヨーロッパ時間)、スウェーデンの電力会社であるVattenfallが改築を予定している風力発電所の電力を10年間に渡って100%購入する契約を締結したと発表した。発電所の場所はオランダ西部ウィーリンガーメーアー(Wieringermeer)。Microsoftはこの近辺でデータセンターを運営しており、購入した電力をデータセンターで消費する予定だ。
Vattenfallは10月27日に、ウィーリンガーメーアーで運転中の発電設備の一部を改築し、最新の発電設備を導入することを発表している。改築工事は2018年に開始し、2019年には発電を始める予定となっている。改築の結果、合計出力は180MW(18万kW)となり、Microsoftはこの分を全量購入する。
図 改築し、出力が180MWとなった風力発電所の電力をすべて購入する
出所 Nuon
Vattenfallはこの改築工事と発電所の拡張を目的に、2億ユーロ(266億円:1ユーロ=133円で換算)以上の資金を投資する。発電所の建設と運営はVattenfallの子会社であるオランダNuonが担当する。Nuonはこの発電所の拡張を計画している。合計で100基の風力発電設備を建設し最大出力を300~400MW(30万~40万kW)、年間発電量をおよそ1TWh(10億kWh)まで引き上げる。この発電量はオランダの一般世帯の年間電力消費量にしておよそ28万世帯分に当たる。
Microsoftは10月9日に、General Electricがアイルランドに建設する風力発電所の電力を購入する契約を締結している(参考記事)。今回Vattenfallと交わした電力購入契約はヨーロッパでは2件目となる。2件の風力発電所が運転を開始し、Microsoftが電力供給を受けるようになると、Microsoftが全世界で調達する再生可能エネルギー由来の電力は合計で800MW(80万kW)に達するという。