Waymoは2017年11月28日(アメリカ西海岸時間)、同社が開発を続けている自動運転車両の公道での合計自動走行距離が400万マイル(約643万7000km)に到達したと発表した。これは、Google社内で自動運転車両の研究プログラムが始まってからの積算距離で、現在アリゾナ州フェニックス都市圏の住民に提供している多数の自動運転車両の走行距離も合算したものだ。平均的なアメリカ人が、これだけの走行経験を積むには300年近くかかるという。
Waymoはこれまで、サンフランシスコやテキサス州オースティンなど全米23の都市で自動運転車を自動走行させてきたほか、テストコースでの試験走行も重ねている。テストコースでは合計で2万通りほどの状況を想定した試験を続けてきたという。その中にはバッグから人間が路上に飛び出したり、路上に置いてあるスケートボードに人間が横たわっているなど、ほとんどありえないような状況を想定した試験もあるとしている。ただし、テストコースでの試験走行の距離は、今回到達した400万マイルには合算していない。
図 テストコースでの試験走行の様子
出所 Waymo
また近年はコンピューターシミュレーションで自動運転システムに走行経験を積ませている。シミュレーションによる走行距離は2016年だけで25億マイル(約40億2300万km)に達し、シミュレーションの導入によって自動運転システムの学習ペースが劇的に上がったという。そして、シミュレーションによる自動走行距離も、今回到達した400マイルには算入していない。
同社は2017年4月にアリゾナ州フェニックス都市圏の住民を対象に、自動運転車両の無料貸出を開始した(参考記事)。このときに提供する車両の運転席には、万が一の事態に備えて運転手が座っていたが、11月には運転手が同乗しない完全自動運転の車両への切り替えを始めている(参考記事)。一般市民に自動運転車を提供した結果、合計走行距離が急進した。100万マイル到達には2009年から2015年までのおよそ6年間かかったが、300万マイル到達から400万マイル到達にはわずか半年ほどしかかからなかったという。世界の自動車メーカー各社は自動運転車両の開発競争でしのぎを削っているが、公道での自動走行実績ではWaymoが他社を圧倒している。
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Waymo