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バス専用路と一般道を使用した自動運転バスの実証、「ラストマイル」の移動手段として期待

2018/08/28
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

国土交通省と経済産業省は、茨城県日立市で自動運転レベル4相当の技術を持つ小型バスの実証評価を実施すると発表した。

国土交通省と経済産業省は2018年8月27日、茨城県日立市で自動運転レベル4相当の技術を持つ小型バスの実証評価を実施すると発表した。地方の過疎地など、最寄りの駅やバス停など公共交通機関の駅から自宅までの距離(ラストマイル)が長い場所で暮らす人々は、日常生活での移動に困難を感じているという現実がある。過疎化が進むと、バス路線が廃線になるなど、より移動が困難になる。そこで、国土交通省と経済産業省はこれまで、国内数カ所で無人自動運転機能を持つ小型カートで、公共交通機関の駅まで地域住民を輸送する実証実験を実施している。今回は、車両の規模を大きくして、自動運転機能を持つ小型バスで実証走行を実施する。

図 今回の実証走行に使用する車両(左)と、実証走行のコースの一部(右)

図 今回の実証走行に使用する車両(左)と、実証走行のコースの一部(右)

出所 SBドライブ

実証走行の場は、日立市内を走る「ひたちBRT」のバス路線のうち、「JR大甕(おおみか)駅」から「おさかなセンター」までの3.2kmの往復区間。BRTとはBus Rapid Transitの略で、専用道路などを使い、路線バスよりも速く移動する輸送サービス。ひたちBRTは日立電鉄交通サービスが運営しているバス路線で、廃線になった日立電鉄日立電鉄線の路線跡地をバス専用道路として利用している。

実験で使用する小型バスには、日野自動車の「日野ポンチョ」を先進モビリティが改造して自動運転レベル4相当の機能を持たせたものを使用する。また、SBドライブが開発している遠隔運行管理システム「Dispatcher」を、ルート設定など走行前の準備や、遠隔地から運行状態を監視などに利用する。自動運転バスの車外と車内を遠隔監視することで、安全性をより高める。

実験走行の期間は2018年10月19日から10月28日まで。自動運転バスに地域住民などを載せて走行する。信号機や路側センサーと自動運転バスを連携させて、安全を確保しながら運行の効率を高めるという試みにも挑む。まら、自動運転バスへの乗降時の決済システムの実証も今回の実証走行の目的の1つとしている。

この事業は、国立研究開発法人産業技術総合研究所が幹事機関として委託を受けて実施する。今回の実証走行にはほかに、SBドライブ、先進モビリティ、みちのりホールディング、日立電鉄交通サービス、日本総合研究所などの企業も参加する予定だ。


■リンク
国土交通省
経済産業省
国立研究開発法人産業技術総合研究所
SBドライブ

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