小田急電鉄、神奈川中央交通、SBドライブの3社は2018年5月24日、自動運転バスの実用化に向けて協定を締結した。今後3社は、自動運転車両の実証実験、自動運転車両に必要なシステムの開発、自動運転車両を軸とした新しい輸送サービスの構築に向けて協議する。
SBドライブは自動運転車を軸とした輸送サービスの実用化を目指しており、小田急電鉄は沿線にそのサービスを導入して先進的なまちづくりを実現したいと考えている。そして神奈川中央交通は地域住民の生活を支えるバス路線の維持、運転手の人為的ミスによる交通事故の防止を狙っている。そして、就労人口減少に伴ってバス運転手の人材確保が難しくなることを大きな課題と捉えており、自動運転バスの導入でこの問題を解決したいという思いがある。
図 神奈川中央交通が運行する2両編成バス「ツインライナー」(左)と、SBドライブが保有する自動運転バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」
出所 SBドライブ
小田急電鉄は、小田急グループのバス事業で培ったノウハウと、実証実験の場を提供し、SBドライブは自動運転バスの車両に加えて、遠隔運行管理システム「Dispatcher」など必要なシステムを提供する。
図 SBドライブが開発している遠隔運行管理システム「Dispatcher」の画面。車両周囲の画像や遅延状況をひと目で把握できる
出所 SBドライブ
2018年度内は、藤沢市内の2カ所で実証実験を予定している。1カ所目は藤沢市の慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス。小田急電鉄と神奈川中央交通は2017年12月に慶應義塾と連係協力協定を締結している。
もう1カ所は藤沢市内の江ノ島だ。2018年9月に開催予定のセーリングワールドカップに合わせて、神奈川県や江ノ電と協力して、自動運転バスの実証実験を実施する。