岩手県の地熱発電プロジェクト、J-POWERが参加して2019年度以降の工事開始を目指す

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2018年6月20日 0:00

三菱マテリアルと三菱ガス化学は、岩手県八幡平市安比(はちまんたいしあっぴ)地域における地熱発電プロジェクトに電源開発(J-POWER)が参加すると発表した。

三菱マテリアルと三菱ガス化学は2018年6月20日、岩手県八幡平市安比(はちまんたいしあっぴ)地域における地熱発電プロジェクトに電源開発(J-POWER)が参加すると発表した。このプロジェクトは三菱マテリアルと三菱ガス化学が事業化に向けて調査を続け、発電事業を担当する「安比地熱株式会社」を設立し、2018年度以降の工事開始を目指して検討を続けていた。J-POWERは今回、安比地熱の株式を取得する。変更前の安比地熱の出資比率は三菱マテリアルが60%で三菱ガス化学が40%だったが、J-POWERの参加により三菱マテリアル51%、三菱ガス化学34%、J-POWER15%となる。そして、工事開始時期を2018年度以降から2019年度以降に変更し、2024年春の運転開始を目指すとしている。

図 事業実施区域の位置(左)と地熱発電所の完成予想図(右)

図 事業実施区域の位置(左)と地熱発電所の完成予想図(右)

出所 三菱マテリアル

このプロジェクトは元々、2003年度に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した調査を受け、2004年度から三菱マテリアルと三菱ガス化学が地熱発電の事業化を開始したところから始まる。その後、環境アセスメントや資源量評価など各種調査を進め、出力15MW(1万5000kW)級の地熱資源を確認した。温泉資源への影響も少なく、環境規制に抵触する可能性も低いと判明したことから三菱マテリアルと三菱ガス化学は2015年10月、共同で安比地熱を設立して地熱発電事業の検討を本格的に開始した。

今回のJ-POWER参加により、工事工程を2019年度以降開始に変更し、事業開始を2024年春頃とした。建設する地熱発電所の出力は14.9MW(1万4900kW)となる予定。ちなみに、今回の事業を進める3社はほかに、秋田県湯沢市に山葵沢(わさびざわ)地熱発電所を共同で建設している。


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